『舞いあがれ!』はシスターフッドにも注目? 脚本家&演出変更による変化も考える

『舞いあがれ!』脚本家&演出変更による変化

 演出の変化が話題になっている『舞いあがれ!』(NHK総合)。第37話では、舞(福原遥)の航空学校での寮生活がついに始まった。

 同室になったのは、矢野倫子(山崎紘菜)。山崎は東宝シンデレラオーディションを経て、TOHOシネマズのCMナビゲーターを務めていたことでもお馴染み。映画やドラマなど、幅広い活躍の中で気丈な性格のキャラクターを演じることが多いのも印象的だ。ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の『モンスターハンター』(2020年)でハリウッドデビューを果たしたことも記憶に新しい彼女が、本作でついに朝ドラデビューを果たす。

 舞にとってのクールな女性の先輩といえば、なにわバードマンの由良先輩(吉谷彩子)が思い起こされる。二人とも最初はキツい印象があったが、矢野も由良のように打ち解けてしまえば面倒見が良くて優しいのかもしれない。毎晩のように化粧をして服を着替えてからどこかに出かける矢野を気にする舞。夜10時に出かけるのだから、心配しない方がおかしい。しかし、彼女は直接矢野に行き先を聞くことができず、尾行することにした。結果として、矢野はただ男子の先輩に勉強を教えてもらっていたのだが、女子寮を出て男子寮の個室に入ることはたとえ勉強が目的でも正しいやり方なのか、いささか疑問に思えてしまう。

 共通の談話室などでもっと早い時間に行うことはできなかったのか。舞が初日から嫌な思いをした相手、柏木(目黒蓮)のように競争心が高い同期に対して抜け駆けをしようと、人目を盗んでいたのかもしれない。それでも、舞が「勉強できない人とやっても成績上がらない」と言われたり、すっぴんかつ部屋着で勉強する彼女を否定したりするような態度は少し間違っている。素直に「ほんまですね」といった彼女に、「認めないでよ」と返す矢野。朝ドラは、ヒロインの恋だけではなく、彼女を取り巻く環境下にいる女性キャラとのシスターフッドにも注目したい。だからこそ、この航空学校編での矢野が舞にどのような影響を与えるのか静観したいところだ。

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