『相棒』ファンにはうれしい“遊び”の数々が おぼん・こぼん師匠も登場の泣き笑い回に
11月16日放送の『相棒 season21』(テレビ朝日系)第6話で、右京(水谷豊)と亀山(寺脇康文)が追うのは、身元が分かるまで“笑うセールスマン”と呼ばれていた、なぜか笑って死んでいたスーツ姿の男の事件。“笑い”がひとつのテーマとなり、劇中にお笑いコンビのおぼん・こぼん師匠が登場するなど、ところどころでクスッと笑える回となった。
右京と亀山は、泥酔して路上で寝込んだ男性から財布を盗んだ中年男(有薗芳記)を逮捕。男は、のらりくらりと素性を隠すが、所持品から1カ月ほど前、河川敷で他殺体となって見つかった、伊藤(阿南健治)の財布が発見される。捜査を担当していた県警によると、遺体の身元が分からず、捜査が行き詰まっていたようで、伊藤の死因は、頭部殴打による脳挫傷だったのだが、その遺体はニヤッと笑っているように見えたという。好奇心を刺激された右京は、亀山と越境捜査を開始。すると、伊藤はかつて、紗矢(池谷のぶえ)という女性とともに夫婦漫才でステージに立つ元お笑い芸人だったことが分かる。
池谷、阿南、有薗のベテラン俳優陣が、自然体でありながらも、風格があり、安心感を感じられるような鮮やかな演技を見せた。殺されてしまう直前に紗矢と会っていたという伊藤の足取りや、逮捕されても一向に身元を明かさない中年男と伊藤との関係が明らかになっていく。そんな中、ちょっとした笑いの小ネタが挟まれていくのが印象的だった。
阿南は『相棒』のシーズン初期に当時、帝都新聞記者で、警視庁記者クラブのキャップを務めていた美和子(鈴木砂羽)の元上司・大久保康雄を演じていたことがある。大久保と美和子は公的機関に関するスクープを載せるかどうかでよく対立していたのだが、家庭料理屋「こてまり」では、偶然にもその記者時代の話に。過去シーズンを知っているファンには当時を思い出し、クスッと笑える瞬間だったかもしれない。美和子が帰ってきたからこそできる“遊び”だろう。