『相棒』に欠かせぬ存在の鈴木砂羽&森口瑤子 “こてまり”コンビが与える安心感

『相棒』“こてまり”コンビの安心感

 毎週骨太のストーリーで視聴者を魅了している『相棒 season21』(テレビ朝日系)。14年ぶりに再び相棒となった亀山(寺脇康文)とともに、一癖も二癖のある事件に直面し、それらを次々と解決に導いている右京(水谷豊)がいつも楽しみにしているのは、小出茉梨(森口瑤子)が女将を務める家庭料理「こてまり」での一杯だ。茉梨の柔らかな声の相槌と優しい微笑みに、右京と亀山だけではなく、こちらも癒されていくのがわかる。

 いつも淡々としている右京だが、実は、「こてまり」のような場所での穏やかなひと時がないと調子が狂ってしまうらしい。自身の元妻が初代の女将を務めていた小料理屋「花の里」が突如として閉店してしまった際、右京は自分が不調に陥ってしまったことを感じていると告げ、それに全く気づいていなかった周囲を驚かせていた。月本幸子(鈴木杏樹)が二代目として「花の里」を引き継ぎ、行き付けの店が復活するとそれも解消したが、幸子が去り、「花の里」が閉店してしまうと、普段ではありえない凡ミスを繰り返すなどまた不調を見せるようになってしまう。当時の相棒だった冠城亘(反町隆史)には推理力が衰えた推理力減退症候群ではないかとまで言われてしまっていた。

 そんな右京を心配して、甲斐峯秋(石坂浩二)が勧めたお店が今の「こてまり」だ。もともと赤坂で芸者をしていた女将の茉梨に、峯秋が店を開くように進言したのだという。「花の里は君にとって大切なもの。そう、ホームズのパイプのようなものだ」と言った峯秋の言葉通り、新たな行きつけの店を見つけた右京は、見事に復調。「花の里」を知っている亀山もこの店を気に入ったようで、今ではふたりでお酒を楽しんでいる。

 最近では、亀山の妻・美和子(鈴木砂羽)がこの「こてまり」で手伝いをはじめたようだ。美和子と料理といえば、右京に「複雑怪奇な味ですね。」と言わせた謎料理・美和子スペシャルがすぐに思い浮かぶ。この料理は、大根、タコの足、厚揚げなど、おでんのような具材がピンクとも薄紫ともいえない液体で煮込まれているものだ。かつて新聞社に勤めていた美和子がカイロに赴任した時に食べたエジプト料理を参考にしているらしい。亀山はこれを食べた時に顔をいかにも美味しくなさそうな顔をしたが、右京は「不味くはない」と言っており、食欲はそそらないが、見た目ほど味は悪くないようだ。

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