安田顕演じる植野先生の慈愛に満ちた熱 『PICU』で新たな形の“ヤスケン劇場”が開幕

『PICU』で新たな“ヤスケン劇場”が開幕

 ……ちょっと待て。安田といえば、2013年公開の映画『HK/変態仮面』で、ニセ変態仮面としてパンティをかぶっていたし、『初恋の悪魔』(日本テレビ系)では、自称小説家の森園真澄役で“ヤスケン劇場”を繰り広げた。NHKドラマ『しもべえ』にいたっては、一言も話さない謎のおじさん・しもべえをコミカルに演じていたではないか。もちろん、彼の芝居で何度も泣かされたことはあるが、それと同時に大笑いもしてきた。個人的には、コメディ作品でも欠かせない俳優の一人だと思っている。

 安田のいわゆる“動”のコミカルな演技は人を笑顔にさせる魔力があって、植野のような良きメンター役を演じる際は、“静”の芝居で物語を牽引している。もちろん“静”といっても、ただの“静”ではない。植野の内面には、PICUへの想いがあって、子どもたちへの愛情があって、同僚には思いやりを持って接している。彼の言葉には、行動には、目には、確かに魂が宿っており、“静”の中にも慈愛に満ちた熱を感じる。

 こうして視聴者にまで体温が届くのは、演劇ユニット・TEAM NACSの一員として登壇してきた舞台、長いキャリアの中で出演してきた映像作品など、彼が演じた役たちが、いまの芝居に生き続けているからだと思う。コメディからヒューマンドラマまで……揺れ動く振り子のように、多種多様な映画・ドラマ・舞台に出演してきた安田だからこそ、観る人の胸を熱くさせる芝居ができるーー。安田は『PICU 小児集中治療室』という作品を通じて、それをはっきりと証明してみせたのだ。2022年、新たな形の“ヤスケン劇場”が幕を開いた。

■放送情報
『PICU 小児集中治療室』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:吉沢亮、木村文乃、安田顕、生田絵梨花、高杉真宙、菅野莉央、甲本雅裕、中尾明慶、高梨臨、菊地凛子、正名僕蔵、松尾諭、大竹しのぶほか
脚本:倉光泰子
演出:平野眞
プロデュース:金城綾香
医療監修:浮山越史(杏林大学病院)、渡邉佳子(杏林大学病院)
主題歌:中島みゆき「俱に」(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
音楽:眞鍋昭大
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/PICU/
公式Twitter:@PICU_cx
公式Instagram:@picu_cx

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