これぞ求めていたMCU! 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は何度でも観たい
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週はリアーナの新曲に歓喜した宮川が『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』をプッシュします。
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
フェーズ4以降のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品の中で、ここまで内容の予想がつかなかった作品は初めてではないだろうか。なんせ、前作の主人公ブラックパンサー/ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンがこの世を去ってしまったのだから……。
今から約4年半前、2018年に公開された前作『ブラックパンサー』は、いろんな意味で異例の作品だった。黒人が主役で黒人が監督の映画から大ヒット作は生まれないと言われていたハリウッドにおいて、監督や主演はもちろん、スタッフやキャストの大半に黒人を起用し、黒人ヒーローの活躍を描き、結果として世界的に大ヒットを記録。興行的に大成功を収めるだけでなく、アメコミ映画、そしてスーパーヒーロー映画として初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされるなど、歴史に残る快挙を成し遂げたことは記憶に新しい。
そんな記録的作品の続編ということで、ファンの期待も大いに高まっていた『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』。しかし、前述の通り、主演のチャドウィック・ボーズマンが大腸がんにより2020年8月28日に43歳という若さで死去。『ブラックパンサー』の撮影中も闘病していたことが明らかになり、MCUファミリーも追悼のコメントを寄せるなど、世界中が悲しみに暮れた。
それから約2年。“主役不在”のままついに完成した『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は、チャドウィック・ボーズマンへの追悼に満ちた作品になっていた。一方で、悲しみを背負いながらも前へ進んでいくという強い意志が感じられる内容にもなっている。