『舞いあがれ!』福原遥×高橋克典、“親子”の熱い空への思い 「飛んでる……」本物の臨場感
『舞いあがれ!』(NHK総合)第5週「空を飛びたい!」第25回で、舞(福原遥)は初めて空を飛ぶ。8月の記録飛行に向けたテストフライトで、スワン号に乗って琵琶湖の上を舞うのだ。
その舞の姿は、父・浩太(高橋克典)が岩倉螺子製作所から生まれ変わった「株式会社IWAKURA」につけたコンセプト「小さなネジの、大きな夢」を体現させているようにも見える。一見、小さな身体に、華奢な“エンジン”のように思えても、パイロットがペダルを漕ぐ力/回転は駆動系を伝わり、プロペラを回転させ推力を生み、大きな飛行機を前に進める。
浩太は新会社の新たなスタートにかつての若さを取り戻したキラキラした目でスピーチをするが、大空を飛び出した舞もまたキラキラした表情で「飛んでる……」と笑みを浮かべる。それは由良(吉谷彩子)が話していた「空に浮かんだらペダルのことなんか忘れてまう」という言葉の通りだった。由良が「行きたいとこへ飛んでいけんねん」と舞の胸を躍らせたことと、浩太の「夢に向かって進んでいく会社です」という宣言もベクトルは同じだ。滑走前、舞が「フライト1本目いきます!」と凛々しい掛け声を見せていたからこそ、ギャップが印象的なシーンでもある。
11月4日は第24話、第25話が続けてオンエアとなった。これは朝ドラ共通のポリシーでもあるが、『舞いあがれ!』でも家族で食卓を囲むことが大事に描かれていることに気づく。厳しい食事制限に耐えてきた舞だが、あと1kg体重を落とすのに苦戦していた。五島に住む“ばんば”こと祥子(高畑淳子)から送られてきたジャムをトーストに塗り美味しそうに朝ご飯を楽しむ浩太とめぐみ(永作博美)を他所に、舞はプロテインをゴクゴクと一気飲み。ジャムを食べたい欲求とサークル部員の期待に応えたい思い、たとえ短い時間でも家族での時間を大切にしたいという舞の信念がそれぞれ垣間見えるシーンだ。
減量のためのササミサラダは、めぐみも腕前を認めるほどの舞の得意料理となっていた。テスト飛行を前に浩太とめぐみにも自身の料理を振る舞う舞。食事の支度時間に帰ってきた舞が自然に母の料理を手伝う場面もそうだが、何気ないシーンからも、子供時代から変わっていない舞の心根や描かれていない空白の10年で育まれていった家族の絆を想像させる。
第6週「スワン号の奇跡」では、いよいよ舞が記録飛行に挑む。目標は女性パイロットの世界記録15.44kmを超える飛行。スワン号は、舞は、奇跡を起こすことができるのか。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK