『親愛なる僕へ殺意をこめて』門脇麦演じる京花の告白に衝撃　山田涼介の凄まじい演技も

　京花（門脇麦）の正体が暴かれ、衝撃の事実が次々と明らかになった『親愛なる僕へ殺意をこめて』（フジテレビ系）の第5話。畑葉子（浅川梨奈）殺人事件の真相は想像を絶するもので、耳を塞ぎたくなるような事実がエイジ（山田涼介）を襲う。歪んだ愛の連鎖が悲劇を生んだ。

※本稿には『親愛なる僕へ殺意をこめて』第5話のネタバレを含みます

　涙ながらに真実を話すと告げた京花は、エイジをとある団地の一室に連れて行く。そこで京花は、自身が母親に虐待されながら育ったこと、死にたいくらい辛い日々であったことをエイジに打ち明ける。しかしそんな京花にも、白馬の王子様が現れたという。あろうことか、それはエイジの父親の八野衣真（早乙女太一）のことであった。八野衣ことLLは、こっそり売春をしていた京花の姉を殺し、それにショックを受けた京花の母も自死。これをきっかけに虐待を受けていた京花は苦しい生活から逃れ、新たな家族に迎え入れられることになった。京花はそんなきっかけを作ってくれたLLのことを盲信していたのだ。さらに京花がエイジに近づいて交際しようと思ったのもエイジの父がLLだと知っていたから。そしてエイジがLLと同じようにいつか殺人を犯すことを期待していたという……。

　あまりにショッキングなエピソードに、Twitterのトレンドは一時、「エイジくん」「きょうかちゃん」「冬彦さん」など本作に関わりのあるキーワードで埋めつくされた。特に佐野史郎の怪演と、「ママ」と繰り返すセリフには、かつて佐野が出演した『ずっとあなたが好きだった』（TBS系）の冬彦さんを想起したという声が上がり、年代問わずドラマファンの心を掴む。

　そして今回特筆すべきはやはり、山田の演技力の凄まじさを感じさせるB一の本格登場シーンだ。気付いたらB一は血だらけの京花のもとにいて、警察に捕まりそうになる。エイジのふりをしながら間一髪のところで逃げ、ナミ（川栄李奈）と合流した。そしてナミの前で、とうとう自分がB一であることを明かす。エイジのふりをしている姿からは一変し、全く違う声色と表情でB一を演じる山田の芝居に戦慄が走った。さらにナミと会話をするB一の表情は、早乙女太一演じる八野衣そのもの。エイジの時の山田があまりにかわいらしく愛嬌があることから、筆者は第1話からずっと、なぜクールに見える早乙女と可愛らしい顔立ちの山田が親子の役なんだろうかと不思議に思っていた。

　しかし、この壮大な伏線が回収されるかのごとく、第5話で暗がりに浮かび上がるB一としての山田の表情、そして口角を上げた笑い顔は、たびたび回想シーンに登場する早乙女とあまりにもそっくりなのだ。そこで改めて、B一が八野衣の息子なのだという抗えない事実を突き付けられる。サスペンスとして完璧な盛り上がりを見せるこのシーンを第5話に持ってきた構成のおもしろさ、キャスティングの素晴らしさ、そして何と言ってもこの難役を想像の何倍をも超えて演じきる山田の手腕には末恐ろしささえ感じた。ツアーで忙しい中、ドラマの撮影時間以外にはアイドルとしてキラキラした輝きを放つ山田。数日前にはYouTube「ジャにのちゃんねる」でツアーの舞台裏での姿を見せていたが、改めて山田が『親愛なる僕へ殺意をこめて』の中でエイジ、B一として見せる姿が本人とかけ離れたものであると痛感させられた。

　第5話では、物語の狂言回しを担う門脇の怪演とそれを受ける山田の掛け合いの芝居もまた強烈だった。京花がただ者でないキャラクターだと明かされたのに、彼女は怪我をおい生死すらあやふやなまま。さらに気になるのは、ナミを縛り上げ、B一が語った「浦島エイジは15年前に俺が生み出した別人格なんだ」の言葉。これが本当であれば、ますます見逃せない展開が続きそうだ。

■放送情報
『親愛なる僕へ殺意をこめて』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00～22:54放送
出演：山田涼介、川栄李奈、門脇麦、尾上松也、早乙女太一、髙嶋政宏、桜井ユキ、佐野史郎、遠藤憲一ほか
原作：『親愛なる僕へ殺意をこめて』原作：井龍一、漫画：伊藤翔太（講談社ヤングマガジン刊）
脚本：岡田道尚
総合演出：松山博昭
プロデュース：草ヶ谷大輔
音楽：☆Taku Takahashi（m-flo）
主題歌：Hey! Say! JUMP「ウラオモテ」
制作著作：フジテレビジョン
©フジテレビ
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