『親愛なる僕へ殺意をこめて』は山田涼介の集大成? 出演作で体現してきた“光”と“影”

山田涼介が体現してきた"光"と"影"

 10月5日からフジテレビ系で山田涼介主演の連続ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』が放送を開始する。本作は、累計発行部数130万部を突破した同名マンガが原作で、その過激な描写がどうドラマとして描かれるかにも注目が集まっている。連続殺人犯を父に持つ大学生の浦島エイジ(山田涼介)がある日、自らが二重人格であることを悟り、もう1人の自分が殺人を犯しているかもしれないという不安にかられ真相を明らかにしようと奔走する二重人格サスペンス。普段、キラキラと明るい笑顔がチャーミングな山田が、本作ではいったいどんな姿を見せてくれるのだろうか。

 山田涼介は、2007年に期間限定ユニットHey! Say! 7として活躍したのち、Hey! Say! JUMPとして本格的にアイドルデビュー。その頃からコンスタントにテレビドラマに出演し続け、研鑽を積んできた。初期には『先生はエライっ!』(日本テレビ系)や『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』(日本テレビ系)など同グループの中島裕翔、知念侑李、有岡大貴らとの共演も多く、Hey! Say! JUMPのブレイクとともに山田自身も頂点に向かって勢いよく駆け上がってきた。その飛び抜けて美しい容姿から、クール、ミステリアス、浮世離れした設定の役を演じることが多かったが、山田の持つ親しみやすいキャラクターが広く知れ渡ってからはお茶目な役やかわいらしい役も多く演じるように。昨今ではシリアスから可愛らしさ、コメディチックまで、幅広い芝居で多くの視聴者をとりこにしている。

 中でも山田の強みは、「あり得ない」ことを「あり得る」ように見せてしまう説得力ではないだろうか。『地獄先生ぬ~べ~』(日本テレビ系)では人ですらない金髪、碧眼の美しい最強の鬼・絶鬼をみごとに表現してくれた。そして『セミオトコ』(テレビ朝日系)では、セミから人間に変身した青年という突拍子もない役を演じた。一見、あまりに現実離れしているように見えるが、山田の美しさと丁寧な芝居がその全てに説得力を持たせてしまう。最後には視聴者が深く感情移入してしまうまでに作り込んでくるからこそ、山田の出演作を長く愛する人も多いのだろう。

 グループの中でセンターを務めることの多いスター性もまた、これまでジャニーズが引き継いできた『金田一少年の事件簿』シリーズ(日本テレビ系)にて四代目金田一一を演じたことや、多くのファンを有する有名作品『古畑任三郎』シリーズ(フジテレビ系)のスピンオフ『古畑中学生』で古畑任三郎の中学生時代を演じたことに繋がるのではないか。山田は、芝居の実力はもちろん、その器の大きさから主演のプレッシャーを背負える人材でもあるのだ。

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