『20世紀のキミ』に漂う90年代の懐かしさ 『青春MT』で話題のキム・ユジョンの輝き
また、修学旅行や部活動、アルバイト、休日には遊園地に行くなど、典型的な青春を詰め込んだにもかかわらず、あっさりしている印象だ。それは、高校の青春イベント自体がメインテーマではないからだろう。友情や恋愛を含めた、「過去の青春時代」というひとまとまりの思い出こそ、この作品が映したかったテーマであると言える。自分の青春時代も自然と思い出してしまうからか、ウノが撮り続けた動画を見ると、懐かしい気持ちと、無性に虚しい気持ちに襲われる。
親友の好きな人を好きになるという、よくある設定でありながら、物語の後半には予想外の苦しい展開が待っているところも、この作品の最大の魅力と言えるだろう。
『20世紀のキミ』は、今年の10月に行われた釜山国際映画祭でも上映された作品。パン・ウリ監督は、学生時代に友人たちと書いていた交換日記の内容から着想を得たとのこと。若さゆえの友情やキュンとする恋愛が恋しい人たちのために作り上げた作品だった。あまり思い出すことがなくなってしまったきらきらとした青春の日々が、『20世紀のキミ』によって、アルバムを見返すように蘇るはずだ。
参考
※ https://biz.chosun.com/entertainment/movie/2022/10/08/QMUYKMJXNGI7JA5KOVJECVOTUM/
■配信情報
『20世紀のキミ』
Netflixにて配信中