『ちむどんどん』『カムカムエヴリバディ』にみる、朝ドラが描く“きょうだいの恋愛”の役割

朝ドラが描く“きょうだいの恋愛”

 ひなたの弟・桃太郎(青木柚)の恋も忘れられない。彼は幼いころからひなたの親友・小夜子(新川優愛)に想いをよせていたが、彼女が赤螺吉之丞(徳永ゆうき)と結婚すると知って意気消沈。最終回では、水田きぬ(小野花梨)の孫・花菜(小野花梨/二役)に一目惚れし、出会ったその日に告白。翌年に結婚した。

 こうしてみると、朝ドラが描く“きょうだいの恋愛”は、物語の交差点的な役割を果たしているように思う。彼ら彼女らが、恋をして、成就して、失恋して、結婚して……と岐路に立つたび、展開が枝分かれし、ヒロインの人生も偶発的に転がっていく。

 たとえば、算太が失恋し、蒸発したことで安子たちの人生が大きく変わったし、養豚場と暢子の店を繋いだのは賢秀がいたから。そもそも喧嘩がなければ、清恵が巡りめぐって店を訪れることもなかった。

 また、桃太郎と同じく、意中の相手に何も告げず、想いを心の奥にしまった過去がある歌子。彼女が店に来なければ、休業中といえど「ちむどんどん」も大ピンチを迎えていただろう。その裏には母・優子(仲間由紀恵)が、“歌子を智のそばにおいてやりたい”という気持ちがあった。今の智と歌子に障害はないはず。桃太郎のように最後のさいごは幸せになってほしい。

 現在放送中の第23週サブタイトルが「にんじんしりしりーは突然に」。こちらは、小田和正の名曲「ラブ・ストーリーは突然に」のオマージュという見方もできるが、23週の後半戦はさらに恋愛関係が大きく動いていくのだろうか?

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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