『ちむどんどん』“家族の繋がり”が暢子の物語を進ませる 優子の料理で思い出す笑顔の記憶

『ちむどんどん』母の料理に浮かぶ笑顔の記憶

 『ちむどんどん』(NHK総合)第22週「豚とニガナは海を越えて」第110回では、休業中の沖縄料理店「ちむどんどん」に優子(仲間由紀恵)と良子(川口春奈)がやってくる。

 優子が朝一で作ってきてくれたのは、タイトルにもなっている「ニガナの白和え」や「にんじんしりしりー」「ピーマンチャンプルー」といった沖縄料理。そのほとんどが良子のうまんちゅ給食での野菜を使ったものだ。懐かしいやんばるの味に暢子(黒島結菜)に自然と笑みがこぼれる。そして、そのニガナが暢子にとっての“足元の泉”をもう一度気づかせてくれる。

『ちむどんどん』第110回

 暢子は「アッラ・フォンターナ」を去る日、「足元の泉は家族と食べたふるさとの料理です。ふるさとの味でたくさんの人を笑顔にしたい」と沖縄料理店を開業する思いを話している。しかし、そこから暢子は東京の人々の好みに合わせた味付けという船の舵取りを誤ってしまう。それはしーちゃんこと重子(鈴木保奈美)や波子(円城寺あや)の愛あるアドバイスからも明らかだった。

 難破していた「ちむどんどん」に光を当ててくれた母の味。暢子は店の再開に向けて、一から味付けを見直し、試作を重ねていく。迎えた新メニューの試食会の日。フォンターナのシェフ・二ツ橋(髙嶋政伸)も「素朴だけど素材の味が最大限に引き出されています」と認める味付けへと一新された。丁寧な処理と素材の良さを生かす工夫に集中するーー暢子にとってフォンターナで身につけた技術は強みでもあるが、逆に弱みでもある。房子(原田美枝子)のアドバイスもあり、暢子は本来の基本の味、沖縄料理のもともとの魅力を思い出すことができたのだった。それは暢子にとっての原点とも言える、家族との笑顔の記憶だ。

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