『いちげき』大河&クドカン作品の常連が集結 染谷将太×町田啓太×松田龍平が生む化学反応
一方、町田は『青天を衝け』(2021年)で、幕末に活躍した新選組の土方歳三役を熱演。真面目で誠実な人柄が外見にも表れている町田は勇ましく、それでいて美しい土方の姿とぴたりと重なった。やがて旧幕府軍として共に新政府軍と戦った渋沢成一郎(高良健吾)に「お主は生きろ」という言葉を残し、最後まで新選組としての誇りを持って戦死を遂げる姿が描かれると、視聴者の間で“土方ロス”が広がった。
そんな確かな演技力でお茶の間を感動の渦に巻き込んだ染谷と町田が演じる百姓たちを導くのが、松田演じる元新選組隊士の島田幸之介だ。
メカロックオペラ『R2C2』(2009年)からはじまり、数々のクドカン脚本作品に出演してきた松田。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)では、ヒロイン・アキ(能年玲奈)を支えるアイドルのマネージャー、“ミズタク”こと水口琢磨を好演。脱力系で無愛想ながら、内に熱い情熱を秘めたキャラクターが視聴者の心を射止め、“ミズタク萌え”なる言葉も生み出した。また、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(2019年)では、建築家の丹下健三を演じたことも記憶に新しい。
NHKと宮藤官九郎が信頼を寄せる3人の俳優によって実写化される『いちげき』。さらに、宮藤は「原作はややシリアスだけど、講談の語りが入ると爽快な青春活劇に仕上がるんじゃないか」という理由から、語りに講談師の神田伯山を迎える。今年も残すところ、約4カ月。豪華な顔ぶれとともに迎える2023年の幕開けを楽しみに待ちたい。
■放送情報
正月時代劇『いちげき』
NHK総合・BS4Kにて、2023年正月放送
出演:染谷将太、町田啓太、松田龍平
原作:『いちげき』松本次郎・『幕末一撃必殺隊』永井義男
脚本:宮藤官九郎
音楽:遠藤浩二
演出:松田礼人(TBSスパークル)
制作統括:樋口俊一(NHK)、加藤章一(TBSスパークル)
プロデュサー:塩村香里(TBSスパークル)