『トモダチゲームR4』浮所飛貴が瞳に宿す強さ 菊池風磨の狂気を感じる芝居も

『トモダチゲームR4』浮所飛貴の瞳の強さ

 先週放送された第5話でこれまでになく早い展開を見せた『トモダチゲームR4』(テレビ朝日系)。つかの間、トモダチゲームから解放された友一(浮所飛貴)と天智(佐藤龍我)。彼らが第3ゲームに立ち向かっていた間に、四部(井上瑞稀)、志法(久保田紗友)、ゆとり(横田真悠)をとりまく環境は大きく変化していた。志法は「騙されるよりも騙す側になりたい」と、ノベル(菊池風磨)にある提案を持ちかける。

 友一は、不可解な電話の呼び出しによりトモダチゲーム特別編「弱い者勝ちゲーム」に参加することに。本物のトモダチゲームでないことは察しがついていたが、いかんせんゆとりを人質にとられていた。一度はゆとりを突き放した友一だったが、友達として、ゆとりの痛みを代わりに引き受ける。血まみれになり、水をかぶり、それでもその瞳の強さは消えない。

 このゲーム自体がとことん理不尽なものであるから、「もしも実際に」と想像することは難しいが、痛みとは身体的苦痛だけを指すものではない。自分の代わりに暴力を受ける友一を目の前に、ゆとりが受けた心の痛みはどれほどだろう。「自分でなにも決めることができない」、友一に指摘された弱さを克服するように、のちにゆとりは自ら「大人のトモダチゲーム」への参加を名乗り出る。

 偽のトモダチゲームによって負傷し、アパートで身体を休める友一のもとに現れたのはノベル。夕暮れの部屋のなか、2人の因縁めいた過去についてノベルが語り始めた。そして、トモダチゲーム運営が四部を拘束していること、1億円の保釈金を払えば解放すること、「人を陥れる才能がある」友一ならば1億円を手に入れることくらい容易いはずだと告げ、「大人のトモダチゲーム」への参加を勧める。

 「こういう菊池が見たかった」と思う、狂気を感じる芝居だ。友一と一定の距離をとっているにも関わらず、瞬きもしない一方的な語り口には、緊張感と静かな迫力がある。一方、トモダチゲーム運営に戻ればけろっとした軽い男に様変わり。それでもなお冷酷さと掴めなさを漂わせる、不気味な引力がある。

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