「きりしまぁ~」には癒やししかない! 泣けるコメディ『組長娘と世話係』がアツい

泣けるコメディ『組長娘と世話係』がアツい

 8月も終わりに差し掛かり、夏アニメもそろそろ終盤を迎えようとしている。今クールも話題のアニメが盛りだくさんとなっているが、本稿では「ヤクザと幼女のほっこり(?)日常アニメ」をぜひとも紹介したい。

 キャストに名を連ねるメンツがアツいだけではなく、ヤクザと幼女という一見相容れない存在の2人が繰り広げる、ハートフルでちょっと泣ける日常コメディは夏の暑さにバテた心をほっこりと癒やしてくれる。

 TVアニメ『組長娘と世話係』(原作:つきや/出版:マイクロマガジン社)はTOKYO MXほかにて放送中。WEBサイト『コミックELMO』にて連載中の原作はシリーズ累計85万部を突破している。WEB雑誌『コミックライドピクシブ』にて2018年6月8日から連載開始したのち、2020年5月に『コミックELMO』に移籍し現在も連載中である。

 主人公・霧島透のキャラクターボイスを細谷佳正が担当していることをはじめ、メインキャラクターや周囲を取り巻くサブキャラクターたちの声を担当する声優陣が豪華だ。桜樹組組長・桜樹一彦を竹内良太、組長の一人娘・八重花の声を和多田美咲、舎弟頭として霧島と行動を共にする杉原恵の声は石川界人が担当している。

 さらに霧島の中学校時代からの親友で、オネエ彫師の北条零は羽多野渉。中学時代から霧島に喧嘩を売っていた戦闘狂・速水雅也を福山潤。霧島の天敵で桃山組の若頭・真白悠莉の声を神谷浩史が担当。ほかにも前野智昭、中原麻衣などといった声優ファン必見のアツい声優陣が霧島の周囲を取り巻く濃いキャラクターたちとして本作を盛り上げている。

 オープニング・エンディングそれぞれの楽曲を人気のYouTuberが担当しているのも面白い。オープニングテーマ「未来のヒーローたちへ」を歌うタケヤキ翔は「ラトゥラトゥ」として音楽活動を行うYouTuber。エンディングテーマ「かえりみちの色」を歌う渋谷ハルはゲーム配信をメインに行うバーチャルYouTuberだ。

 本作では「桜樹組の悪魔」と呼ばれている桜樹組の若頭・霧島がドスの利いた声を響かせ、ブッ飛んだ表情もしっかり見せている。その反面、お嬢・八重花の前ではその姿を封印して優しさにあふれる声で話しかけている姿にギャップがあり、ときめいている視聴者も多いのではないだろうか。

 裏社会の描写が妙にリアルとSNSなどでも話題になっていたが、作者・つきやが映画などから得た知識で描く極道の世界観は、フィクションだからこそ活きる大胆な設定もあり、それがより一層霧島のギャップに繋がっている。

 霧島が世話係になる前の八重花は、もともと口数が少なく、物静かでひとりでいることも多かった。親元を離れて暮らしていたこともあり、人に甘えるのも得意ではない八重花だが、霧島と出会い、心を開いて成長していく姿を見ると気づけば頬に涙が伝っていることもしばしば……。

 第1話では授業参観があることを誰にも言えず、隠していた八重花の様子に気づいた霧島と八重花の叔母・香菜美(CV.小林未沙)。香菜美に促されて小学校へ向かった霧島の様子が描かれた。そんな霧島に対して「うれしかった」と照れながらも感謝を伝える八重花には胸をぎゅっと締め付けられ、涙が止まらなくなった。

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