『ちむどんどん』負のサイクルが青柳家にも飛び火 暢子の200万円は賢秀の手に

『ちむどんどん』負のサイクルが青柳家にも

 新たな悲劇が生まれる。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』第93話では、詐欺の片棒を担がされていることにやっと気づいた賢秀(竜星涼)が大暴れする。

 東京で沖縄料理屋を開店させる決意をした暢子(黒島結菜)は、さっそく気に入った物件を見つけ、そこを借りる準備を始めた。同時に「アッラ・フォンターナ」を早めに退職しなければならず、房子(原田美枝子)に相談に行く。そこで房子は「今月いっぱいで退職」と暢子に言い渡し、クールな態度ながらも暢子の門出を応援しているようにも見えた。だがその後、賢秀が房子の元を訪れビタミン剤を売りつけて会員にならないかと勧誘。房子はこれをねずみ講という詐欺行為だと、賢秀に現実を突きつけた。

 事態を理解せず本当に稼げるビジネスだと思っていた賢秀は憤慨し、事務所に戻る。同じ頃、和彦(宮沢氷魚)の勤め先では、賢秀の勤めているねずみ講の会社が警察にマークされており逮捕の危機にあるという情報をキャッチしていた。しかも、この問題が起こっている最中、暢子の手には店の開店資金の200万円が握られており……。

 賢秀が会員を辞めると言ったために違約金が発生してしまう。それもこれも賢秀が契約書をよく読んで理解せずにサインしてしまったから。事務所で暴動を起こした賢秀はあえなく取り押さえられ、代わりに暢子が違約金の200万円を支払わされてしまった。開業のための大切な金は兄・賢秀の愚行によって消えてしまう。暢子はまたも賢秀に足を引っ張られるかたちで、窮地に陥ってしまった。暢子はフォンターナの退職も決まっているため、このままでは金を貯める余裕もないだろう。果たして暢子の夢はどうなってしまうのか。

 これまでもなんとかしてきた賢秀と暢子ではあるものの、上京時の「ボクシングジム失踪事件」にはじまり、賢秀が暢子にかけてきた迷惑は数知れず。こうなってくると、あまゆで三郎(片岡鶴太郎)が話した「金は粗末にする人から離れていく」という言葉が身に沁みる。暢子もいずれは成長できない賢秀から離れない限り、ずっと迷惑をかけられ自身の生き方や夢までもやり直せないところまで潰されてしまうだろう。新たに家庭を持った暢子だが、この負のサイクルを繰り返す比嘉家から脱することはできるのだろうか。なにより青柳家までが負のサイクルに巻き込まれないことを願いたい。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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