アニエス・ヴァルダ監督作が修復を経て30年越しにスクリーンに 『冬の旅』10月公開決定
アニエス・ヴァルダ監督作『冬の旅』が、10月下旬よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されることが決定した。
2019年3月に、生涯現役を貫いて90歳で逝去した映画作家アニエス・ヴァルダ。28歳の時に、後に「ヌーヴェルヴァーグの最初の映画」と評されることになる『ラ・ポワント・クールト』を発表し一躍注目を集め、『幸福(しあわせ)』では、第15回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞、以後もフィクションとドキュメンタリーを縦横無尽に行き来し、常に市井に生きる人々の飾らない姿を活写し続けたヴァルダ。2015年にはカンヌ国際映画祭名誉パルムドールを、2017年には米アカデミー賞名誉賞を受賞している。
1985年に発表された本作は、フランス片田舎の畑の側溝で、凍死体として発見された少女モナが死に至るまでの数週間の足取りを、路上で出会った人々の証言から辿っていく物語。第42回ヴェネチア国際映画祭では最高賞の金獅子賞に輝き、主演を務めたサンドリーヌ・ボネールもセザール賞最優秀主演女優賞を受賞するなど評価された。
なお今回使用される素材は、2014年にヴァルダ本人と本作の撮影監督を務めたパトリック・ブロシェによる監修で2K修復された、DCP素材での劇場公開となる。
■公開情報
『冬の旅』
10月下旬より、シアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開
出演:サンドリーヌ・ボネール、マーシャ・メリル、ステファン・フレイス、ヨランド・モロー
監督・脚本・共同編集:アニエス・ヴァルダ
撮影:パトリック・ブロシェ
音楽:ジョアンナ・ブルゾヴィッチ
配給:ザジフィルムズ
1985年/フランス/ヨーロッパ・ビスタ/カラー/105分/原題:SANS TOIT NI LOI/英題:Vagabond
(c)1985 Cine-Tamaris / films A2
公式サイト:www.zaziefilms.com/fuyunotabi