『ちむどんどん』“自分勝手な思い込み”が進む男性陣 暢子と和彦の気持ちも進展か
倒れている智(前田公輝)を発見し、慌てて駆け寄る暢子(黒島結菜)。『ちむどんどん』(NHK総合)第59話は、そんなアクシデントに見舞われながら、暢子と和彦(宮沢氷魚)の心情が大きく動いた。
独立したばかりで、一人で勝手に暢子を嫁にもらう前提で働き詰めていた智。その睡眠不足がたたって熱を出していた。暢子は沖縄県人会に連絡をし、そこに三郎(片岡鶴太郎)や和彦らが助けに来る。みんなで手分けして、その日中にやらなきゃいけない配達を分担し、追加発注分も何とかこなすことができた。普段の配達先にも含まれる「アッラ・フォンターナ」でも、オーナーの房子(原田美枝子)が暢子から事情を聞く。「彼、こっちに身寄りはないんでしょ?」と、智の看病のためにお店を休みなさいと言ってあげたり、二ツ橋(高嶋政伸)から仕入れ先の変更について聞かれた時に「鶴見の県人会が助けてくれるでしょう」と変わらずに智との契約を守ったり、彼女の優しさが全面的に発揮されていた。
ある意味、智は現代でいう「フリーランス」として仕事をし始めたばかりで、フリーランスにとって何らかの体調不良で仕事を飛ばしてしまうことは、今後の契約を切られてしまう絶体絶命の状況。仮に、今の智を気遣って違う業者に依頼したとしても、それは結果的に智にとって仕事を失うことを意味する。そういうこともしっかり考えた上での判断をしてくれる房子は、やはりこの作品の中で“見ていて安心する大人キャラクター”の一人だ。
「アッラ・フォンターナ」といえば、最近はいろんな人がデートに使っている。賢秀(竜星涼)が気になる多田直美(安野澄)にいい格好をしようと、暢子の職場のレストランでご馳走してあげると豪語していた前回。しかし約束の日になり、店先で一張羅を着て待っていた彼の前に現れたのは、直美だけではなかった。なんと、たびたび彼女が話していた“社長”(塙宣之)を含め、他の社員もゾロゾロと来てしまったのだ。完全にダシにされてしまったような賢秀、これまた新手の詐欺に遭ってしまうのかと思えば社員が「婚約祝い」と言うものだから、自分と直美のことを言われている気がして気分が良くなってしまう。そんな話を一度もしていないのに、気が大きくなった賢秀は店で一番高いワインを“ボトル”で人数分用意しろとオーダー。一瞬にして彼の初めてのちゃんとしたデートはハードモードの飲み会へと姿を変える。そして、直美の婚約者が社長である事実を知って、ショックを受ける。しかし、ここで怖いのが「支払いはちゃんとできるのか」問題である。これまでいくつもの借金を息をするように作ってきた賢秀だが、さすがに暢子の職場でそんなことをすれば、彼女の立場もなくなってしまうためこの後の展開が怖い。