『ちむどんどん』“自分勝手な思い込み”が進む男性陣 暢子と和彦の気持ちも進展か

『ちむどんどん』思い込みが激しい男性陣

 一方、沖縄ではみんなの前で叱った生徒が登校拒否になっている件で、良子(川口春奈)が校長からお叱りを受ける。頭ごなしに怒られて言えなかったが、ただ落とした消しゴムを拾おうとしていただけだったという事実を知り、「なんで言ってくれなかったんだ」と納得のいかない良子。しかし、その実情を子供から聞いた後輩先生の知念陽平(木村文哉)でさえ、良子に直接言わず、校長を通して間接的に伝えている。この“何となく言いづらい”空気を出しているのは、良子の厳しさやプライドの高さだ。今回、みんなの前で校長から叱られているという、生徒に自分がしてしまったことを追体験することはそういった自身の性格を見つめ直す良い機会かもしれない。

 家では歌子(上白石萌歌)が晴海(鈴木咲)の世話をし、自分は教師としても母親としても役不足だと嘆く良子。そんな彼女に対し、「晴海は頑張らなくてもネーネーが好き、本当はうちじゃなくってもっと良子ネーネーに甘えたいんだよ」と励ましてあげる。その様子を見守る優子(仲間由紀恵)が「歌子、ありがとう」と言った後の表情が気になるものだった。これまで母親として何か子供に言ってあげなければいけない場面で、いつも姉妹たちがその立場に立ってお互いを諭し合っていたのが印象的だった優子だが、「母親として役不足」と落ち込む良子に自分の姿を重ねて思うことがあったのかもしれない。

 さて、暢子と和彦は配達を通して何となく仲直りをする。しかし、智が寝ていると知った和彦は再び愛(飯豊まりえ)と自分の置かれた状況について暢子に話し始めた。

「僕の迷いというか、悩みというか、もやもやした感情の正体は多分、彼女に対する不信感とか愛情の薄れではなく、おそらく……」

 暢子も少し期待するかのように、続けるように促す。しかし、そこで和彦はあまゆで愛と待ち合わせしていたことを思い出し、急いで出て行った。智といい、賢秀といい、和彦といい、今週は勝手に“相手も俺が好き”、“もう俺の嫁”モードで話を先に進める男性陣の愚行がすごい。愛はとりわけ何も悪いこともしてなければ、心優しい女性キャラクターだからこそ自分の婚約前の浮気心への弁明に「彼女に対する不信感」という言葉を含めてしまった和彦に、少しがっかりしてしまう。

 そして、そんな彼の心変わりにいち早く気づいているのは愛だった。彼の愛を確認するかのように道端でハグを求め、キスをねだる。その場に暢子が通りかかってしまい、彼女の存在に気づいた瞬間に動きを止める和彦。この恋愛、一体どうなってしまうのだろう。

※高嶋政伸の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK 

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