『ナンバMG5』本音を吐露する剛に浮かぶ悔しさ 大切な場所を守る間宮祥太朗がたまらない

『ナンバMG5』白百合を守り抜く剛に感動

 そんな剛にもう1つの災難が降りかかる。白百合高校に猛を逆恨みするヤンキー・小暮翔(東啓介)と石黒正(鈴之助)率いる集団が殴り込みに来たのだ。容赦無く白百合高校の校舎を荒らし、生徒たちを痛めつける様子を見て、剛は激怒。彼らと戦うことを決意した。

 しかし、剛の正体を知る牧野弥生(鈴木ゆうか)は引き止めた。これに対する間宮の表情がたまらない。目には力を入れたまま、安心させるように少しだけ微笑んで「大丈夫。こんなこと今までいくらでもあったから……」と小声で言い、歩き始めたのだ。ヤンキーであることを知っている牧野に強い言い方をしなかったのは、ここが白百合高校だからなのか、それとも彼の正体を知らない意中の相手・藤田深雪(森川葵)が見ていたからなのだろうか。いずれにせよ、間宮がここでこの表情を選んだ理由は、ぜひ何かの機会に聞いてみたいものだ。

 さらに、剛を庇う仲間の姿も印象的だった。相談に乗り続けてきた伍代(神尾楓珠)と大丸(森本慎太郎)、家族の中で唯一、二重生活を知っていた妹の吟子(原菜乃華)。剛のこの生活を、必死に守り抜こうとする理解者たちの姿は涙を誘った。また、マスクを外した“特服”を見て、正体を理解した島崎(春本ヒロ)が「前は気づかなかったけど、似てるんだよな。俺がこの学校で初めて友達になったやつに」というセリフ。ここで「お前、難破だろ」と決めつけることなく、友達に似ていると表現したことに島崎の人の良さと、2年半以上の間に形成された島崎と剛の信頼関係を思わせた。

『ナンバMG5』9話

 しかし、仲間を思う気持ちは剛も一緒だ。ケンカをしたら白百合高校を卒業するという夢は叶わなくなってしまうかもしれない。しかし、剛にとっては自分の卒業や白百合高校での生活よりも、ここの場所が大切だった。「俺の大事な場所なんだ、引けねぇよ……」島崎に言い、吟子には「ここどこだ? (中略)白百合だぞ? アイツら、白百合で好き勝手やってんだよ」と告げる。ボロボロになり、何度も倒れながらも必死に守り抜こうとケンカを続ける剛。ここまでずっと守り抜いてきたまともな高校生活が、こんな形で終了するなんて悲しすぎる。次回はいよいよ最終回、心の底から終わってほしくないのは、私だけだろうか。

 せめて、どうかハッピーエンドであることを願いたい。

■放送情報
『ナンバMG5』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:間宮祥太朗、神尾楓珠、森川葵、森本慎太郎(SixTONES)、富田望生、原菜乃華、加藤諒、満島真之介、鈴木紗理奈、宇梶剛士ほか
原作:『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』小沢としお(秋田書店『少年チャンピオン・コミックス』刊)
脚本:金沢達也
演出:本広克行
プロデュース:栗原彩乃
編成企画:上原寿一
制作・著作:フジテレビ第一制作部
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/nanbaMG5/
公式Twitter:@nanbaMG5_
公式Instagram:@nanbamg5_

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