『ソー:ラブ&サンダー』はギリシア神話がカギになる? 本予告の気になるポイントを解説

『ソー:ラブ&サンダー』本予告を解説

 前回の予告から登場する、2頭のヤギが引っ張る空飛ぶ船。ソーが船首にストームブレーカーを括りつけていることがわかります。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、ストームブレーカーに空間移動できる力があることが分かっているので、これがエンジンになるのでしょうか? なお、このヤギたちはフライング・ゴーツ(空飛ぶヤギたち)です。1976年のコミックでデビューしました。このコミックでは、なんとアスガルドの神々(つまりソーたち)とギリシア神話の神々が戦うというすごいエピソードが描かれました。

 そもそもマーベルのコミックの世界には様々な神話の神々・ヒーローたちがキャラとして登場するのです。それはMCUにも受け継がれました。実際MCUドラマの『ムーンナイト』では、エジプトの神様たちがフィーチャーされていましたよね。今回の『ソー:ラブ&サンダー』ではコミック同様、ギリシア神話の神々が出てきます。本予告で、黄金の御殿の中で稲妻のような飾り物をかざす人物。これがラッセル・クロウ演じるゼウスです。そう、あのギリシア神話のゼウスです。ソーたちはなんらかの理由があってギリシア神話の神々の国へ、空飛ぶヤギの船に乗って行ったということがわかります。

 ここでちょっと思い出していただきたいのは、映画『エターナルズ』で、少年がアンジェリーナ・ジョリー演じるキャラに対し「あなたは女神のアテナ(ギリシア神話の女神)でしょ」のようなことを聞くと、彼女は「わたしはセナよ」と切り返します。このセリフを深読みすると、“女神のアテナ”は他にいると言っているようにも聞こえる。つまり彼女たちは自分たちとは別にギリシアの神々がいる、ということを知っているわけです。というわけでソーたちはギリシア神話の神々に会うわけですが、まだ完全に友好関係というわけではなさそう。不審者扱いされ、ソーは素っ裸にされてしまいます。その際に、ソーの背中にあるタトゥーがちらっと映ります。これがロキのヘルメットっぽい。ソーはロキのことを忘れてはいないんですね。もちろんソーはドラマ『ロキ』で描かれたロキの(正確に言えばロキの変異体の)運命を知らないから、ロキとはもう会えないと思っているのかもしれません。

 ソーたちがギリシア神話の神々と接触した理由はなにか? 恐らく手を組んで“共通の敵”を倒そうという申し出だと思われます。

 その“共通の敵”こそ、今回のメインヴィラン、“ゴア”です。本予告で初登場となる白い不気味な人物で、「すべての神を殺す」と宣言しています。ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャー(神殺しのゴア)とも呼ばれています。

Christian Bale as Gorr in Marvel Studios' THOR: LOVE AND THUNDER. Photo courtesy of Marvel Studios. ©Marvel Studios 2022. All Rights Reserved.

 このゴアに対抗するため、神様同士が共闘するという流れでしょう。ゴアを演じるのはクリスチャン・ベール。さすがの存在感です。このゴアが手にする剣は“オール・ブラック”と推測されます。コミックでの設定では闇の神ヌル(“KNULL”と綴ります)が作ったもの。そしてこの剣は最初のシンビオート、つまりヴェノムの“先祖”なのです。ここでまさかヴェノムとつながる!? そういえばやたらとクネクネした黒いクリチャーが何度か映りますよね? さらにジェーンが謎の寺院のようなところにいますが、ここでの石像の一つがMCUアニメ『ホワット・イフ…?』に登場した、マルチバースの監視人ウォッチャーらしきものも。この石像になっている者たちも今後のMCUに登場する伏線かもしれません。

 今回はより神話色の強いファンタジーになりそうですが、“ラブ&サンダー”という楽しい副題がキー。前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』がポップな活劇だっただけに、今回も活きのいいエンターテインメントに仕上がるでしょう。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』との絡みも楽しみですね。個人的にテッサ・トンプソン演じるヴァルキリーが好きなので、彼女の暴れっぷりにも期待です。

■公開情報
『ソー:ラブ&サンダー』
7月8日(金)劇場公開
監督:タイカ・ワイティティ
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、テッサ・トンプソン、クリスチャン・ベール、タイカ・ワイティティ、ラッセル・クロウ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題:Thor: Love and Thunder
(c)Marvel Studios 2022

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