『吉祥寺ルーザーズ』増田貴久の“前を向く力”が強い 謎の多い聡の物語が動き出す予兆も

『吉祥寺ルーザーズ』聡の謎が動き出す

 それは、借金を抱えていた親に代わり、自分は高校を辞めて働き、弥生の学費や生活費を出していたということ。しかも、妹に心配をかけまいとその話は一切していないという。それを苦労話としてではなく淡々と話す幡多に聡は「すごいじゃないですか!」と声をかけた。

 不思議なことに、ここでの聡はなぜか怒っているように見える。「自分のためじゃなくて人のために動くってなかなかできないです」と言葉では幡多を褒めているのに、その態度はどこか幡多を責めている。きっと、一緒に暮らして、幡多のことを理解しているからこそ、彼のその人柄が他の人にうまく伝わらないのが、聡は悔しいのだ。幡多がそれでいいと思っていることも。だからなのか「もっと適当でいいんじゃないですか」という聡から幡多へのアドバイスは優しさが垣間見えつつも、ぶっきらぼうだった。そのアドバイスは、相手の気持ちや立場に親身になり過ぎて、頑張りすぎてしまう聡自身にも言えることなのだが。似たもの同士だからこそ、分かり合えることがそこに存在しているのかもしれない。

 聡と幡多が語り合っている中、桜(田中みな実)にリコ(岩本蓮加)から連絡が。なかなか聡に会えないことにどうやら痺れを切らしているようだ。また、聡が折に触れて送っているメールは「ハロー、ママ」で始まっているのだが、次回、第8話の予告にはその聡の“ママ”の姿も。実は、まだまだ謎の多い聡の物語が大きく動き出す予兆を感じさせる第7話ラストの展開だった。

■放送情報
ドラマプレミア23『吉祥寺ルーザーズ』
テレビ東京系にて、毎週月曜23:06〜23:55放送
Paravi、ひかりTVにて、地上波放送終了後配信
出演:増田貴久、田中みな実、片桐仁、田島芽瑠、濱田マリ、岩本蓮加(乃木坂46)、國村隼
企画・原作:秋元康
監督:佐藤祐市(共同テレビ)、松木創(共同テレビ)、小林義則(共同テレビ)
脚本:池田テツヒロ
音楽:信澤宣明
主題歌:Awesome City Club「ランブル」(cutting edge)
オープニングテーマ:NEWS「LOSER」(Johnny’s Entertainment Record)
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:稲田秀樹(テレビ東京)、橋本芙美(共同テレビ)、村木美砂(共同テレビ)
制作:テレビ東京、共同テレビ
製作著作:「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会
(c)「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/kichijoji_losers/
公式Twitter:@tx_losers
公式Instagram:@tx_losers

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる