ロシア国家vs反体制派のカリスマ 『ナワリヌイ』予告編&ポスタービジュアル公開
2022サンダンス映画祭にてシークレット作品として上映され、観客賞とフェスティバル・フェイバリット賞をW受賞したドキュメンタリー映画『ナワリヌイ』の予告編とポスタービジュアルが公開された。
ロシアの弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイは、インターネット上でのプーチン政権への批判で国内外の注目を集め、若者を中心とした反体制派から熱烈な支持を寄せられる人物。タイム誌の2012年版「世界で最も影響力のある100人」にも選出されたナワリヌイは、自らも政党を結成し、モスクワ市長選に出馬し大健闘。この選挙では政権側による開票の不正操作があったのではないかという疑惑が持ち上がるなどして大きな注目を集めたが、やがて政権の最大の敵となった彼は、不当な逮捕を繰り返され、徐々に見えない巨大な力に追い詰められてゆく。そして2020年8月、彼は移動中の飛行機内で毒物によって昏睡状態に陥った。機体は急遽緊急着陸し、搬送された病院でもナワリヌイは意識不明となっていたが、やがて病院側の反対を振り切ってドイツの病院へ移送され、そこで奇跡的に回復を遂げた。様々な憶測が飛び交う中、体調が戻り始めた彼は、自ら調査チームを結成。自分に毒を盛ったのは一体何者なのか。暗殺未遂事件の影に潜む勢力を、信じられない手法を用いて暴いていくのだった。
公開された予告編は、ナワリヌイが独自調査で辿り着いたロシアの政府関係者に自ら電話をかけ、危険を顧みず「ナワリヌイだ」と正体を明かしたうえで「なぜ私を殺そうと?」と問う場面から始まる。ニュース映像とインタビュー映像を織り交ぜながら、彼がこれまでいかにして反体制派のリーダーとして支持を集め、政府にとってその名前を出すことがタブー視されるほどの脅威となっていったのかが語られる。平和と自由を求め戦争反対デモに参加する市民、打倒プーチンを掲げ、団結を呼びかけるナワリヌイの力強い演説、毒物によって瀕死の状態に陥り緊急搬送された実際の速報映像などが映され、最後に彼がロシア国民に「諦めるな」という力強いメッセージを投げかける様子が映されている。
あわせて公開されたポスタービジュアルは、ロシア政府の象徴でモスクワに位置する城塞・クレムリンが、まるでナワリヌイを突き刺そうとするかのように描かれている。ナワリヌイが挑むプーチン政権という存在がいかに強大で危険なものであるかという暗示と、立ち向かう彼の強固な覚悟と信念を描いている。
■公開情報
『ナワリヌイ』
6月17日(金)新宿ピカデリー、渋谷シネクイント、シネ・リーブル池袋ほかロードショー
監督:ダニエル・ロアー
出演:アレクセイ・ナワリヌイ、ユリヤ・ナワリヌイ、マリア・ペヴチク、クリスト・グローゼフ、レオニード・ボルコフほか
プロデューサー:オデッサ・レイ、ダイアン・ベッカー、メラニー・ミラー、シェーン・ボリス
製作総指揮:エイミー・エンテリス、コートニー・セクストン、マリア・ペヴチク
音楽:マリウス・デ・ヴリーズ
製作:CNN Films、HBO Max
制作協力:Fishbowl Films、RaeFilm Studios、Cottage M
配給:トランスフォーマー
2022年/アメリカ/ロシア語、英語/98分/原題:Navalny/日本語字幕:額賀深雪
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公式HP:https://transformer.co.jp/m/Navalny
公式Twitter:@Navalny_movie