『明日』ではオシャレな死神役に キム・ヒソンが体現する唯一無二のヒロイン像

『明日』オシャレな死神のキム・ヒソンに注目

 『明日』のリョンは、自ら崖の端から飛び降りようとする自殺志願者の手を絶対に離さない信念を持っている。真摯に向き合い何があっても諦めないリョンに、心を動かされる瞬間が所々にあったのではないだろうか。見かけはクールだが、あたたかみのあるリョンの言葉は視聴者にも届いているはずだ。キム・ヒソンの厚みのある声のトーンは、台詞に重みが増して心にずしんと響く。背中を叩くのではなく、共感と慰めを伝えて寄り添ってくれる。今日を乗り越え『明日』を迎えられるようにと。

 上司としてのリョンもまた魅力的だ。新人チェ・ジュヌン(ロウン)の無茶な行動を見守りながらもピンチな時は必ず助け出す。人間性を見抜き、信頼を前提に仕事を任せ、ジュヌンの成長に繋げている。イム代理(ユン・ジオン)が抱える傷にも配慮しながらサポートし、理想のチーム長とも言えるのではないだろうか。

 リョンについて謎ばかりだったが、生前はどんな人物だったのか、何があったのかが少しずつ明かされてきた。朝鮮時代に生きたリョンは現在420歳で、地獄から「走馬灯」に引き抜かれたということは深い罪を犯したのだろう。赤いアイシャドウは忘れられない人との思い出であり、手首に巻かれた赤い糸は自ら死のうとしてできた時にできた手首の傷跡があった。引導チーム長パク・ジュンギル(イ・スヒョク)との縁にも迫ってきている。これまで自殺を食い止めてきたのは、自分も同じくらい苦しんだ経験があり、今もなお闇の中にいるからできたことなのかもしれない。キム・ヒソンはリョンの抱える傷に寄り添った演技を披露してくれるだろう。

■配信情報
『明日』
Netflixにて独占配信中
(写真はMBC公式サイトより)

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