阿部寛が体現した“男らしさの限界点” 『とんび』が令和の時代に映画化された意義

『とんび』が令和の時代に映画化された意義

 実際、『とんび』公式サイト(※)にコメントを寄せている著名人は実にさまざまな顔ぶれだ。故・石原慎太郎氏を父にもつ俳優・石原良純氏はこのように語る。

我が家の親子間とは、全て違った。こんなに太くて濃厚な時間は無かった。でも最近、親父を亡くした僕は気が付いた。時間や場所を超えて、親父のエネルギーに感化されていたことを。映画を観た夜、親父の夢を見た。いつもよりにこやかで、優しかった。

 さらに、「ネオ昭和」を掲げ活動中のインフルエンサー・阪田マリン氏は以下のようなコメントを寄せた。

 自分の未来の家族の形を考えるうえでも観ておいた方がいい映画だと思いました。私ぐらいの年齢の人は、アキラくん目線で感情移入しながら映画を観るし、親世代ならばヤスさん目線で観るはず。様々な視点から観ることができる映画です。本作は昭和の話と思いきや、今の時代にも必要な助け合い、支え合いが描かれています。大事なことを思いださせてくれる、定期的に観たい映画です。

 これらは、『とんび』の時代を生きた人、生きていない人、親になった人、なっていない人、子育ての真っ最中、あるいは終えた人、あらゆる世代があらゆる目線に立って家族のあり方を眼差すことができることの証言たちの、ごく一部に過ぎない。『とんび』の人物たちと一緒に、温かな家族愛の海へと解放されてほしい。

参照

※ https://movies.kadokawa.co.jp/tonbi/

■公開情報
『とんび』
全国公開中
出演:阿部寛、北村匠海、杏、安田顕、大島優子、濱田岳、宇梶剛士、尾美としのり、吉岡睦雄、宇野祥平、木竜麻生、田中哲司、豊原功補、嶋田久作、村上淳、麿赤兒、麻生久美子、薬師丸ひろ子
原作:重松清『とんび』(角川文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:港岳彦
配給:KADOKAWA
(c)2022『とんび』製作委員会
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/tonbi/

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