柴咲コウが語る、『インビジブル』金髪ショートの役づくり 「普通じゃない方を選びたい」

柴咲コウが語る、『インビジブル』の役づくり

 柴咲コウが金髪、ショートカットで新たなイメージを放っているTBS金曜ドラマ『インビジブル』。闇に隠れる凶悪犯を追う刑事サスペンスを描く本作で、柴咲は、高橋一生演じる主人公の刑事・志村貴文と異色のバディを組む犯罪コーディネーターのキリコを演じている。

 今回、リアルサウンド映画部では柴咲コウにインタビュー。髪型を変えたことで「ものすごく変化したい盛り」と答えるほどの心境の変化を含め、役作りの上でのこだわりや、オリジナル作品を作り上げていくことへの面白さを聞いた。(編集部)

「正解を見つけるのが難しい」

――本作のオファーが来たときの印象は?

柴咲コウ(以下、柴咲):企画書をいただいたときにワクワクドキドキして、こんなに素敵で面白そうな話の中で、こういうキャラクターを演じたいなと純粋に思えたので、引き受けさせていただきました。

――キリコと志村の魅力について聞かせてください。

柴咲:謎が多くて説明が難しいところもあるのですが、キリコはわざわざ警察である志村に近づいていくわけですよね。そこで両者の正義というものがぶつかり合ったときに、どういうケミストリーが起こるのかなっていうことくらいしか、今は言えないんです。ただ、キリコはきちっと情報収集もして、計算尽くでいろいろな行動を起こしている点が爽快というか。人生って計算してもうまくいかないところがあるけど、キリコはそこを超越してしまう人なので、やっていて気持ちがいいです。一方で、志村は激情型にも見えなくはないのだけど、実はそういうキリコとも対等に話ができるし、“1”言ったら“10”理解するみたいなところがあって。理解力が高いところは、観ていて気持ちがいいんじゃないかなと思います。

――犯罪コーディネーターという設定については、どう感じられましたか?

柴咲:「犯罪コーディネーターって何するんだろう?」と思いました(笑)。でも、(一般的には)力を持っている人ほど自分で手を下さないようなところがあるのかなと思うので、その中でわざわざ自分が前に出てくる意味、深さみたいなものが大きなテーマになっていくんだなと感じました。

――柴咲さんの思うドラマの見どころは?

柴咲:志村とキリコは警察と犯罪者ということで、水と油というか、正反対の人生を歩んでいる人たちなんです。でも、善悪や法律があるとはいえ、“正義”はそれぞれの心にあって、それを信じている以上その人にとってはそれが真実なので、それがぶつかったときにどうなるのか。逆に思いが強すぎると狂気的になっていくというか、「それって本当に正義なのかな?」と思うようなことも、この世の中には結構あるんじゃないかなと思っていて。私自身、何が正しいのか、正解を見つけるのが難しいなと思いながら生きているので、「正義って何なんだろう」とか、いろいろ考えさせられるドラマになってくれたらいいなとは思っています。

高橋一生への「圧倒的な信頼感」

――キリコのバディである志村を演じるのは、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』をはじめ、これまでにも共演経験のある高橋一生さんです。

柴咲:一生さんには、お芝居に関して圧倒的な信頼感があります。“間”とかも絶妙な方で、お芝居をしていて本当に心地がいいんですよね。余計なことを考えずにお芝居に没頭させてくれるので、今もすごく集中して撮影に臨むことができているなと思うし、それはすごくハッピーなことだなと思っています。毎話毎話どんどん話も展開していくので、一生さん含め、スタッフの皆さんとこのオリジナル脚本の作品を最後まで完走したいと思っています。

――信頼関係のある高橋さんとだからこそ、生み出せるものもある?

柴咲:役柄とは反対かなと思うのですが、私はインスピレーションで生きているようなところがあるので、直感力で結構アイデアを出したりしていて。一生さんは、それを紐解いたりとか、左脳的にも解釈して「ここはつじつまが合わないかな」みたいなアイデアを出してくれるので、「すごい!」と思います。「そうだよね、そうだよね。だから、ここはこういうセリフに変えた方がいいのかもしれないね」なんて、プロデューサーや監督も含めて話をしています。

――高橋さんご自身は、インタビューで「理性ではなく本能で動いている」とお話しされていましたが、それは高橋さんの照れ隠しなのでしょうか?

柴咲:でも、そういうところもあるんですよ。完全に左脳ではなく右脳的なところもあって、どちらもバランスよく使われているような感じがします。

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