『カムカムエヴリバディ』にも影響が? 日本が舞台の2000年代前半のハリウッド映画

『カムカム』日本が舞台のハリウッド映画

 『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)も終盤。ラジオ英語講座で勉強し続けた三代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)は流暢に英語を話せるようになり、勤務先の「条映太秦映画村」で外国人観光客の対応もスムーズにできるようになった。

 残念ながら時代劇は衰退の一途をたどっていたが、江戸時代を舞台にしたハリウッド映画が作られるというグッドニュースに、時代劇を救いたいひなたは喜び、大いに張り切る。ハリウッドから「条映太秦映画村」に視察団がやって来て、英語で案内をするひなたは本当に頼もしい。

 日本を舞台にしたハリウッド映画は、『007は二度死ぬ』『ベスト・キッド2』など昔から数多くある。特に、『カムカムエヴリバディ』の劇中で、ハリウッドからの視察団がロケハンをしたり、オーディションを行ったりしている『サムライ・ベースボール』という映画が製作されている2000年代前半は、『ラスト サムライ』『キル・ビル』『ロスト・イン・トランスレーション』『SAYURI』など、日本を舞台にしたハリウッド作品が次々と公開されていた。

 最初に榊原(平埜生成)がひなたに、「江戸時代の日本を舞台にしたハリウッド映画が製作される」という話をした時は、すぐに『ラスト サムライ』が連想された。『ラスト サムライ』といえば、トム・クルーズ主演のエドワード・ズウィック監督作。『カムカムエヴリバディ』では、「マット・ロリンズ主演」で「ニコラス・ミラー監督」の作品という設定だが、それを知ったひなたは「めちゃくちゃ大型企画やないですか!」と目を丸くしていた。きっと、マット・ロリンズはトム・クルーズくらいの大物俳優なのだろう。

 ところがその後、映画のタイトルが『サムライ・ベースボール』だと分かり、『ミスター・ベースボール』が頭に浮かんだ。今作はトム・セレックと高倉健が共演した、日本のプロ野球でプレイする助っ人外国人選手の話で、時代劇要素はない。しかも、1992年の作品なので、『サムライ・ベースボール』が作られている時代よりも10年ほど前の映画だから、“ベースボール”くらいしか共通点はなさそうだ。この映画の日本からのキャストには豊原功補、神保悟志、藤田朋子らがおり、日本の元プロ野球選手も登場している。

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