『アンビュランス』はリメイク映画ではない? マイケル・ベイ監督が明かす製作の裏側

マイケル・ベイが語る爆破シーンのこだわり

 『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイ監督によるノンストップアクション『アンビュランス』が、全米公開に先駆けて3月25日より日本公開中だ。LA史上最高額の銀行強盗を企てた血の繋がらない兄弟が逃走のために乗り込んだのは、瀕死の警官を乗せた救急車だった。2人は警官を死なせずに大金を奪い、逃げきれるのかーー。

 “ハリウッドの破壊王”の異名を持つマイケル・ベイ。“銀行強盗”という題材は彼にしては少々地味かと思いきや、カーチェイスや大爆発など今回もてんこ盛りだ。そんなベイ監督にリモートインタビューを行い、本作の裏側について話を聞いた。

「とにかく緊迫感や緊張感というものを出したかった」

ーー本作は2005年のデンマーク映画『25ミニッツ』のリメイク版となるんですよね?

マイケル・ベイ(以下、ベイ):これはリメイクではありません。私は『25ミニッツ』を観たこともなく、脚本も知りませんでした。私は自分の映画を撮ろうというつもりでスタートしたんです。でもこのコンセプトはとても気に入っていて、同じコンセプトだと思うけれど、作品としては別物になります。本作が公開されたら『25ミニッツ』を観てみてもいいけどね!(笑)このコロナ禍の中で、非常に短くてコンパクトなものをやりたいと思っていたところ、『アンビュランス』の脚本と出会ったんです。とにかく登場人物のキャラクターが良く、そしてとても緊張感があるストーリーでした。『25ミニッツ』はもっとアート系の映画だと聞いています。

ーーそうなんですね(笑)。制作するにあたって最も意識したことはなんでしょう?

ベイ:とにかく緊迫感や緊張感というものを出したかった。素晴らしいキャストを迎えて、一つ間違えると、どんどん雪だるま式に悪い方向に行くことを描いています。一人は本当に悪い銀行強盗で見ていて面白く、もう一人は自分の妻を助けるために銀行強盗をする。そして必死に警官を救うという自分の任務に集中する救命士。中心となる登場人物3人のそれぞれの視点でストーリーが進んでいきます。3人の関係性がいろいろと変化していきますが、彼らにとても感情移入ができ、最後は感動的になる部分があります。

ーー「銀行強盗」と「救急車」というキーワードからは想像もつかない爆破撃が繰り広げられる本作の撮影において、最も大変だったことや困難だったことを教えてください。

ベイ:今までの作品もすごいプレッシャーの中で撮影をしてきたのですが、今回も非常にプレッシャーを感じながら撮影を行っていました。例えば『パール・ハーバー』では、7秒間で20の軍機が飛び交ったり350のいろんな出来事が行われる中、雲の間から太陽がちょうど出るところを狙って撮影しなくてはならなかったり、また高速道路を閉鎖しなくてはならなかったり……そういうプレッシャーの中でこれまで撮影してきました。今回の作品では、38日間という非常に短い期間の中で撮影しなくてはならなく、予算も低予算で、でも非常に大きい作品に見えるようにしたかった。それが一番大変なところでした。また、狭い空間の中での出来事があるので、それも大変でした。

ーー今までの作品の中で一番撮影が大変だった作品は?

ベイ:今まで自分がやってきた中で一番大変だった作品は、やはり『パール・ハーバー』ですね。全てリアルに撮影しようと思ったので大変でした。

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