『塔の上のラプンツェル』が示した新時代のプリンセス像 中川翔子の吹き替えにも注目

 ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』が3月25日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)でノーカット放送される。同作は2010年に公開、ディズニー長編アニメ50作目という節目の作品で、プリンセスものとして初めての3DCGで制作。当時北米興行収入歴代3位という大ヒットを記録した。

塔の上のラプンツェル

 18年間森の奥の塔に幽閉され、外の世界を夢見ながら暮らしていたラプンツェルが、ある日大泥棒のフリンと出会い、彼の助けによって塔を脱出する。ラプンツェルを執拗に追いかけるゴーテルの魔の手から力を合わせて切り抜け、ラプンツェルとフリンは心を通わせていく……。原作は、グリム童話にも出てくる『ラプンツェル(髪長姫)』で、かなりダークで刺激の強い内容だったが、その原作から主な設定だけを残し、ディズニーらしくファンタジックかつドラマティックにリメイクされたのが『塔の上のラプンツェル』だ。人気の高さから、テレビシリーズ『ラプンツェル ザ・シリーズ』もスピンオフ作品として制作された。

 主人公のラプンツェルは、ディズニープリンセスの人気ランキングでは、必ずと言っていいほど上位に入る。それは、ラプンツェルがそれまでのプリンセス像とは、少し異なるからかもしれない。ラプンツェルは、プリンセスは王子様に助けられてばかりの弱い存在ではなく、自分で道を選び、自身で道を切り拓く強い存在として描かれている。

 ラプンツェルの最大の特徴は長く(21メートル)美しい金髪で、女性なら誰もが憧れるだろう。しかしラプンツェルは、その髪をはしごにして塔の出入りに使ったり、投げ縄にして悪党を捕まえるなど、ロープのように自由自在に使いこなすといった実用主義。また、実に行動的なところがあり、フライパンを武器にして悪党をこらしめるアグレッシブさも見せる。フリンも最初は、このフライパン攻撃を食らって捕まってしまった。物語の主導権はあくまでもラプンツェルで、フリンはそれに振り回されながら付いて行き、たまに男気を見せたりもするが、結局最後もラプンツェルが助けることになる。実に頼もしいことこの上ない。

 そんなラプンツェルの吹き替えを担当し、生き生きと演じているのが「しょこたん」こと中川翔子だ。中川は子役から活動し、公式ブログ『しょこたん☆ぶろぐ』で芸能人ブログブームの火付け役の1人として注目を集めた。2006年にアーティストデビュー、「空色デイズ」などがヒットし、2007年末の『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした。アニメや漫画、ゲームなど多趣味なことで知られ、そのマニアックさからオタク系タレントとしても活躍。近年はクールジャパンを背負って活動の場を広げ、東京2020大会マスコット選考検討会議委員も務めた。

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