『カムカム』の重要ポイント“ラジオ英語講座” なかなか身につかないひなたに共感?

『カムカム』英語学習の難しさに共感?

 『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)は、「ラジオ英語講座と共に歩んだ三人のヒロインが紡ぐ100年のファミリーストーリー」を描く朝ドラとして始まった。だが、初代ヒロイン・安子(上白石萌音)がラジオ英語講座を聞き続けて、流暢に話せるくらい英語をマスターした後は、二代目ヒロイン・るい(深津絵里)編で、ラジオ英語講座に触れられることは特になかった。

 そして三代目ヒロイン・ひなた(新津ちせ/川栄李奈)が登場してからは、小学生のひなたが1週間頑張っただけでそれきりになってしまっていた。SNS等の視聴者の感想では、「ラジオ英語講座はどうなった?」という声が上がったりしていたが、第19週にようやく、るいがラジオ英語講座を17年も聞き続けていたことが発覚した。

 ひなたは、「大月」を訪れた外国人に英語で接客する母・るいの姿に驚き、勤務先の「条映太秦映画村」の外国人観光客のガイドを、るいにやってほしいと頼む。店を離れられないから無理だと断るるいから、「ひなたも一緒に(ラジオ英語講座を)聞いたら? それで、ひなたがガイドをやったらええやない」と言われたひなたは、「17年もかけてられへんから」と困り顔。子供の頃に、初恋のビリー(幸本澄樹)を前に英語が出てこなくて、彼と何も話せないまま、アメリカに帰国するのを見送るしかなかったひなたは、英語学習に挫折してしまった。でも、結婚を考えていた五十嵐(本郷奏多)に振られたのを機に、仕事に打ち込もうとするひなたは、挫折した英語と再び向き合うことになる。

 手っ取り早く英語を話せるようになりたいひなたは、結婚資金としてコツコツ貯めていた定期預金をはたき、ネイティブの講師とマンツーマンレッスンで、「たくさん聞いて、たくさん話せる」という英会話教室の3カ月コースに申し込む。ひなた編の時代をよく知っている筆者は、当時テレビCMをバンバン流していた某英会話教室がすぐに頭に浮かんだ。ところが、3カ月間通っただけでは簡単に英語が身につくはずもなく、ひなたは映画村の外国人観光客に「またのおこしをお待ちしております」という意味の英語を言おうとして、「I’m expecting!(私は妊娠しています)」と笑顔で言って祝われるという恥ずかしい事態を招いてしまった。

 ほかにも、様々なテキストを買ってみたり、「ただ聞き流すだけで、気が付いたらペラペラに」という英会話教材のCDを買おうとしたりするひなた。この教材も有名アスリートが大々的に宣伝していたのを、ついこの間のことのように覚えているし、実際に入手した人も身近にいたが、その人は聞き流すだけではペラペラにならなかったようである。

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