結婚式の難題を“笑い”に昇華 『ウェディング・ハイ』は“新郎”中村倫也の葛藤も見どころに
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、5月に参列する後輩の結婚式が楽しみな大和田が『ウェディング・ハイ』をプッシュします。
『ウェディング・ハイ』
大切な友人の結婚式に行けなくなってしまった。コロナ禍にはそんなことが増えたと思う。だが、そんなご時世の中で笑いをもたらしてくれるのが、映画『ウェディング・ハイ』だ。
結婚式、それは誰にとっても喜ばしい日であり、一生の思い出となる特別な日だろう。でも、それだけではないのが、結婚式。人生の一大イベントであるからには、その裏ではいろんなことが起きている。筆者はまだ挙げたことがないので、知っていることなんてたかが知れているが、呼ばれる方でさえ少し悩ましく感じることもあったりしないだろうか?
例えば、どの友人を呼ぶかという問題。どのくらいの関係性の友達までを呼ぶか、または呼ばれたものに行くか。ただ楽しいイベントとして、仲の良い人々と楽しい時間を過ごしたいだけであるのに、そのちょっと軽い難題にぶつかる人も多いのかもしれない。そして、ゲスト関連のもう一つの問題が、余興だ。筆者は以前、所属していたコミュニティーで余興を頼まれたことがあったが、全く余興キャラのメンバーではなかったため、申し訳ないが断ったことがあった。スピーチを頼まれた友人は、スピーチ用の本を買い、文章を考えているというのを聞いて、大変だなぁと他人事として練習を見守っていたこともある。
だが、本作でスピーチを頼まれた上司たちの意気込みは、私の見てきた友人のそれとは次元が全く違った。新郎と新婦の上司である財津俊彦(高橋克実)と井上司朗(皆川猿時)はスピーチの盛り上げどころや落としどころを研究し、場内の温度をトークでコントロールしていく。こんな熱量で結婚式に臨む人がいたことに、ただ写真を撮って拍手していただけの自分がいたことに身が引き締まった。