『進撃の巨人』マルコの最後の言葉 “理解”と“対話”の重要性を説いた一連の会話劇
アズマビト家の飛行艇を使って始祖の巨人に近づこうと企てていたハンジだったが、始祖の巨人の進路は分からない。そこでマガトはエレンに協力していたイェレナに始祖の巨人の行く先を聞くが、答えようとしない。そこでマーレに滅ぼされた国の生き残りとされていたイェレナの正体がマーレ人であることが明かされた。マーレに失望していたイェレナは、ジークの安楽死計画を知り、世界を救うことに魅力を感じ反マーレ義勇兵になっていた。
自らの過去を明かされたイェレナはその腹いせか各々の過去を語り始める。ライナー、アニ、アルミン、ジャンらがこれまで犯してきた多くの罪はいまさらどうこうすることはできないが、過去を清算することはできる。イェレナは皮肉のつもりで過去を暴露していったのだと思うが、ジャンが語っていたようにわだかまりを解消することにつながった。
そしてイェレナによってこれまで語られてこなかったマルコ・ボットの死の真相が明かされた。過去を悔いるように重々しい口ぶりで話し始めるライナーとアニ。マルコが殺されたのはライナーとベルトルトの秘密の会話を聞いてしまったからだった。真相を知ったジャンは「最後に何か言ってなかったか」とライナーに問いかける。
「俺たちはまだ話し合ってない」がマルコの最後の言葉だった。マルコに対して罪悪感を顕にするライナーが謝罪の言葉を口にするとジャンは勢いよく殴りかかる。それを静止したのはガビ・ブラウンだった。子どもながらにこれまでの行いを謝罪したうえで、地ならしを止めてほしいとジャンたちに申し出ると、ジャンは冷静さを取り戻す。エルディア人に泣きながら懇願するガビを見てマガトは何を思ったのだろうか。
『進撃の巨人』は正義のあり方や憎しみの連鎖が描かれてきたが、同時に話し合うことの重要性をも説いてきた。終わりなき争いを解決するためには双方の理解と対話が必要だ。第84話はその理解と対話がじっくりと時間をかけて描かれた重要な回と言えるだろう。
一夜明け、港へと向かうハンジたち。しかし、港はイェーガー派によって占拠されていた。エレンを止めるためかつての仲間たちと敵対することになるのだろうか。
■放送・配信情報
TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』
NHK総合にて、毎週日曜24:05〜放送
キャスト:梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴ロ美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、沼倉愛美、増田俊樹、松風雅也
原作:諫山創(別冊少年マガジン/講談社)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン:岸友洋
総作画監督:新沼大祐、秋田学
演出チーフ:宍戸淳
エフェクト作画監督:酒井智史、古俣太一
色彩設計:大西慈
美術監督:根本邦明
画面設計:淡輪雄介
3DCG監督:奥納基、池田昴
撮影監督:浅川茂輝
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文
音楽:KOHTA YAMAMOTO、澤野弘之
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音響制作:テクノサウンド
アニメーションプロデューサー:川越恒
制作:MAPPA
(c)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
公式サイト:https://shingeki.tv/final/
公式Twitter:@anime_shingeki