『二十五、二十一』で“青春”を擬人化 ナム・ジュヒョクの眩しい笑顔に惹かれる主演作4選

ナム・ジュヒョクの笑顔に惹かれる主演作4選

 日本のNetflix視聴ランキングでも連日ランクインしている『二十五、二十一』。序盤から「名作」の香りがぷんぷん香ってくる本作で、ひと際まぶしい輝きを放っているのが、青春の代名詞ナム・ジュヒョクだ。近年演技面で高い評価を得ている彼の、さらなる魅力に浸る主演作4作を紹介したい。

『二十五、二十一』

『二十五、二十一』(tvN公式サイトより)

 ジュヒョクの演技力を再証明しているのが、現在配信中の『二十五、二十一』だろう。本作は、1998年、韓国が類を見ない経済不況に陥っていたIMF時代に夢を奪われた若者たちのさまよう青春と成長を描いたロマンスドラマだ。主人公ナ・ヒド(キム・テリ)の娘がコロナ禍である現在に開いた母の高校時代の日記帳を元に、母ヒド(キム・テリ)の若かりし青春時代の物語が展開していく。

 故意にぼやけて演出した画面、レトロな小物やOSTなどその時代を思い起こすような演出。現在の姿をチラ見せし、過去を振り返ることでさまざまな真実が明らかになっていくという展開方式は、韓国で愛され続ける『応答せよ』シリーズを彷彿とさせる。心ときめくロマンスや青春の痛み、コロナ禍の私たちにも通じる深いメッセージはもちろん、過去の小さな伏線から、視聴者の考察を白熱させるのも本作の魅力の一つだろう。

 ジュヒョクが演じるのは、IMFで裕福だった生活が一変し、倒産した家庭の長男として懸命に生きるベク・イジン。ヒドと出会い、互いに癒し合い、支え合い、成長していく。彼は青春漫画を破って出てきた「青春の擬人化」のようなフレッシュな魅力で、希望を描き出しながらも、厳しい現実にぶつかって倒れる若者の苦悩を繊細に表現している。きっと彼の「人生作(この俳優といったらこのドラマが浮かぶ程、人々の記憶の中に残る作品)」の一つになることだろう。

『スタートアップ:夢の扉』

『スタートアップ:夢の扉』(tvN公式サイトより)

 ジュヒョクが「青春」を代表する俳優として確固たる地位を築き、人気に拍車をかけたのが本作だろう。本作は韓国のシリコンバレーと呼ばれる、若者のあこがれの地“サンドボックス”で、成功を夢見てスタートアップに飛び込んだ青春の始まり(START)と成長(UP)を描く物語だ。両親の離婚で家族がバラバラになり、父親と祖母と共に暮らしていた主人公ダルミに「ナム・ドサン」と名乗る少年から手紙が届くようになる。会ったこともないドサンに淡い初恋の感情を抱いていたダルミは、大人になり起業家の集まる「サンドボックス」でその“文通相手”と再会するーー。

 夢を叶えるべく奮闘する若き起業家たちの痛快なストーリーが展開する一方で、物語を大きく盛り上げたのは、ダルミ(スジ)を巡る“三角関係”だ。斬新なのはジュヒョクが演じるのが、ダルミの文通相手で初恋の相手では“ない”という点だろう。彼が演じるナム・ドサンは、ダルミの本物の文通相手ジピョン(キム・ソンホ)が、たまたま名前を借りた人物なのだ。ジピョンに頼まれ文通相手のフリをしているうちにダルミと惹かれあっていくが、ダルミが好きなのは自分ではなく“手紙の中のドサン”だと察して苦しんでいく。

 髪はボサボサ、趣味は編み物、致命的なダサさを発揮し、女心がわからない不器用な理系男子を演じるそのギャップが魅力的だ。「偽物」であるが故に愛と嘘との間で葛藤し、涙を流す姿に心打たれる。

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