『ミステリと言う勿れ』風呂光が整に向ける強いまなざし “頼りになる人”以上の感情?
恩師の天達(鈴木浩介)と共にミステリー会に参加することになった整(菅田将暉)は、アイビーハウスと呼ばれる家でとある事件に直面する。『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)の第8話は、亡くなった天達のパートナー・美吉喜和(水川あさみ)の死の真相を問い直す内容となった。
喜和の墓参りに行った整は天達と遭遇し、そこで謎解きをするイベント「ミステリー会」へと誘われる。開催場所のアイビーハウスには天達のかつての学友であった蔦董平(池内万作)と橘高勝(佐々木蔵之介)、そして蔦がインターネットで知り合ったというデラ(田口浩正)とパン(渋谷謙人)、天達が誘った風呂光(伊藤沙莉)の姿があった。ミステリー会では蔦自作のミステリを見事解いた整だったが、実はこのアイビーハウスは喜和がかつて亡くなった事件現場であったと知らされる。実際に殺人が起こった場所に集っていると知り緊張感が走る一同。そんな中、整は天達から「この中にひとりだけ嘘を吐く人がいるから見ていてくれ」と、風呂光は「ひとりだけ嘘を吐かない人がいるから見ていてくれ」と依頼された上で参加していた。天達の依頼の意味は、そして喜和の死は本当にストーカーによるものだったのか、一同は眠れぬ夜を過ごす。
天達によって整と共にミステリー会に同行することとなった風呂光だが、その瞳には一人の女性として整を意識しているのではないかと思わせる兆しがある。整を彷彿とさせるようなモジャモジャの黒のマフラーをクリスマスに購入し、整が入院先の病室で女性から花をもらっていたことも気にかけていた。加えてライカ(門脇麦)の存在も風呂光にとっては気がかりなところ。ライカが病院の売店で買った真っ赤なオーナメントを整がスマートフォンにつけていたことも風呂光は見逃さない。
今回のミステリー会への参加のきっかけとなる天達と風呂光が出会うきっかけも、整のことをもっと知りたいと思った風呂光が、天達の講演を聞きに行ったからであった。天達が、風呂光をミステリー会に誘ったのは、刑事であるだけでなく、整のことをよく考えていることに気付いたからかもしれない。風呂光は今や、整に対して「事件を解決するために頼りになる人」以上の感情を抱いているように見える。事件や、整を取り巻く環境にばかり目がいってしまいがちだが、風呂光の繊細に揺れ動く感情にも改めて注目したい。