『ドクター・ストレンジMoM』予告編を解説 プロフェッサーX、モニカ・ランボーも登場?
5月4日日本公開の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(以下、『ドクター・ストレンジMoM』)の新たな予告編とポスタービジュアルが公開されました! アメリカでは話題のスーパーボウル(アメフトの大イベントで、そのテレビ中継をアメリカ人の大多数が見ていると言われる)の間にオンエアされ、日本ではディズニー・スタジオ公式のYouTubeチャンネルに投稿されました。その内容はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)ファンを狂喜させる要素がテンコ盛り! 早速その見どころを若干筆者の憶測も含め、解説していきましょう。
前提として『ドクター・ストレンジMoM』は“マルチバース”がテーマです。マルチバースとはパラレルワールドと考えてください。そしてマルチバースごとに、僕らが知っているヒーローの別バージョンが存在します。これをヴァリアント(変異体)といいます。今回はこのマルチバース、ヴァリアントという設定を使って、「え!?」と驚くキャラが登場するのです。
まず、予告編はドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)のモノローグから始まります。“毎晩、夢(ほとんど悪夢ですよね)を見る”と。流れる曲からしてダークファンタジーというより、ホラー路線です。そして12秒目にはストレンジたちの修行の故郷、カマー・タージが攻撃されている。その直後のカットには本作でデビューする新MCUヒーロー、アメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)の姿が。彼女は怪力などのスーパーパワーを持っていますが、コミックだたと星型のポータル(マルチバース間を移動する門)を発生させます。この予告でも後ろに星型の光の門が見えますね。僕はこの予告を最初に見た時に、次元移動の際、四肢が伸びるかと思ったのですが、そうではなく次のシーンに出てくるモンスターに捕らえられたのですね。
さて、本作で気になってくるのが14秒目に一瞬映る、画面向かって左側にいる、髪の毛を後ろにしばったストレンジ。どうやらストレンジのヴァリアントです。映画と連動して発売されるフィギュアによると、「ディフェンダー・ストレンジ」というキャラが出てくる模様。これはコミックでドクター・ストレンジが“ディフェンダーズ”というチームを結成した時のコスチュームに似ています。つまり別世界のストレンジはディフェンダーズを結成しており、そのディフェンダーズ版ストレンジが来た、ということでしょうか?
18秒目に、悪夢から目覚めるストレンジ(どうでもいいですが寝る時はパジャマを着ない主義のようです)。そして、前作でも登場した元カノ、クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)からもらった腕時計を見つめます。ちなみにこの腕時計、ジャガー・ルクルト マスター・ウルトラスリム・パーペチュアといって300万円ぐらいする超高級腕時計。
その後の26秒目、「このやるべきことをした」というのが何をさすのか? 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でのクライマックスで生み出されてしまった次元の裂け目を食い止める魔法でしょうか? 僕が気になるのは、今回の『ドクター・ストレンジMoM』で描かれる事件の発端が『ノー・ウェイ・ホーム』に起因するかどうかということです。考え方によっては宇宙全体の危機を招いたそもそも原因が、もしかしたらピーターたちのMIT入学騒動だったりして?
『スパイダーマン』といえば、本予告にも大きく映っていたサム・ライミ監督の文字! トビー・マグワイア版『スパイダーマン』3部作でヒーロー映画を、『死霊のはらわた』でホラー映画を、『ダークマン』で“ホラー×ヒーロー映画”を極めた鬼才! 今回も“ホラー×ヒーロー映画”でライミ節をみせてくれるか期待したいところです。
さて、予告の39秒目ですが、ディズニープラスで配信中のマーベルドラマ『ホワット・イフ…?』をご覧の方なら、このシーンはまさに“マルチバースに異変が起き、世界が崩れていく描写”だとわかることでしょう。
そして43秒目にはクリスティーンがストレンジではない、別の男と結婚する姿が。この彼女の結婚というのは、意外に本作の重要ポイントかもしれません。というのも『ホワット・イフ…?』では、事故でクリスティーンを失ったストレンジが闇落ちしてマルチバースの危機を引き起こします。結婚も事故も、ストレンジにとってクリスティーンを失うことに変わりはありません。海外のファンの間では、サノスの指パッチンでクリスティーンは生き残り、ストレンジの5年の不在(死んだと思っていたでしょうから)の間に色々決心もついて新たな人生を歩もうとしていたら、ストレンジが戻ってきた……という状況になっているのではと噂されています。