安達祐実だからこそ演じられた“横顔”の輝き “人”を感じる『湯あがりスケッチ』の温かさ

『湯あがりスケッチ』安達祐実“横顔”の輝き

 第2話のゲストとして長峰を演じたのは、安達祐実だ。子役時代にテレビドラマ『家なき子』(日本テレビ系/1994年)で主演を務め脚光を浴びてから、長きに渡り芸能界で第一線を走る。本作と同じタイミングで、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に時代劇女優の美咲すみれ役でも登場しており、1996年の『ひまわり』以来26年ぶりの朝ドラ出演となる。どんな時も実年齢に関係なく幅広い役をこなす安達が長峰を演じるからこそ、見つけられた表現、演じられた“横顔”がそこにはあったはずだ。銭湯に浸かり、その後穂波と酒を酌み交わすシーンのすっきりとした佇まいが忘れられない。過去を捨て、自らの決意で旅をする身軽さは嫌味がなく、安達の愛嬌と相まって長峰という女性の魅力はより輝いたように感じた。

 「銭湯は人だからね」という第1話の愛之助(村上淳)の言葉が、第2話ではより踏み込んで描かれた。穂波が銭湯を、そしてスケッチを通してみる世界には、紛れもなく「人」の存在が重視される。深い関係になり一生を揺るがす出会いにならずとも、「人」を感じられる瞬間はほんのりと温かいものだ。『湯あがりスケッチ』を観る私たちもまた、銭湯の湯のように柔らかく温かい気持ちにゆっくりと浸かっているのである。

ひかりTVでは『湯あがりスケッチ』をはじめとして、銭湯・サウナを舞台にしたドラマを多数配信中!

■放送情報
『湯あがりスケッチ』(全8話)
ひかりTVにて、毎週木曜22:00〜配信
原案:塩谷歩波『銭湯図解』
監督・脚本:中川龍太郎
出演:小川紗良、森崎ウィン、新谷ゆづみ、村上淳、伊藤万理華、安達祐実、臼田あさ美、室井滋、夏子、中田青渚、成海璃子
(c)ひかりTV
公式サイト:https://www.hikaritv.net/sp/yuagari-sketch/index.html?cid=ent_video_yuagari_sketch_of_6
公式Twitter:https://twitter.com/yuagari_sketch
特集ページ:https://realsound.jp/movie/2022/02/post-960070.html

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