永瀬廉が無気力な大学生役を好演 二宮健が『真夜中乙女戦争』を通して描く東京の今

二宮健が『真夜中乙女戦争』で映す東京の今

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、東京タワーよりスカイツリー派の宮川が『真夜中乙女戦争』をプッシュします。

『真夜中乙女戦争』

 「真夜中」「乙女」「戦争」。それぞれが相反するかのようなワードが組み合わさった不穏な響きのある言葉を冠した『真夜中乙女戦争』は、10代〜20代の若者を中心に支持を集める新鋭作家Fが2018年に発表したデビュー小説。刊行から約4年、人気アイドルグループKing & Princeの永瀬廉を主演に迎え、『チワワちゃん』や『とんかつDJアゲ太郎』など話題作を発表し続ける二宮健が映像化に挑んだ映画版が誕生した。

「真夜中を愛する者は乙女である。真夜中を憎む者もまた乙女である。乙女は女だけではない。男だって乙女である。愛する者は乙女だ。愛される者、愛されない者も。愛せない者も乙女であろう」

 そんな詩的な言葉とともに映し出される、大都会・東京の象徴である“東京タワー”。『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY-リミット・オブ・スリービング ビューティ』や『チワワちゃん』でも“東京の夜”をスタイリッシュに彩ってきた二宮健ならではの東京の夜景がスクリーン一面に広がったかと思えば一転、永瀬廉演じる無気力な大学生“私”が登場する。

 この映画の主人公である“私”は、友達も恋人もおらず、やりたいこともなりたいものもない人物で、鬱屈とした日々を送っている。そんな彼が「かくれんぼ同好会」という謎の会で出会った“先輩”(池田エライザ)と、突如として彼の前に現れた謎の男“黒服”(柄本佑)の存在によって、その日常が一変していく。

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