『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ついに公開! 押さえておくべき前提知識は?

『スパイダーマン』押さえておくべき前提知識

 いよいよ『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が公開です。本当に素晴らしいヒーロー映画であり青春ドラマです。

 予備知識なくてもアクションやユーモアがいっぱいで十分楽しめると思うのですが、一応トム・ホランド出演のスパイダーマン映画の3作目、歴代スパイダーマン映画のヴィランも登場するので、ネタバレがないように(基本的に予告編で明らかになっている範囲内で)これだけは押さえておいた方がいいというポイントをいくつかご説明しましょう。

スパイダーマン以外にもヒーローがいる世界

 今度の『ノー・ウェイ・ホーム』はトム・ホランドが主人公を演じるスパイダーマン映画であると同時に、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作です。したがってスパイダーマン以外にもヒーローがいる世界です。今までスパイダーマン/ピーター・パーカーは師匠としてアイアンマン/トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)を頼ってきました。しかしトニーは銀河の脅威サノス軍とヒーロー連合の壮絶な戦いで帰らぬ人となっています。今回ピーターを導くのは魔法使いヒーロー、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。彼はスパイダーマンと共に宇宙でサノス(ジョシュ・ブローリン)と戦った仲です。

スパイダーマンの正体は秘密だった。しかし!

 MCUには多くのヒーローがいるので、その正体が知られている人も多い。例えばアイアンマン=トニーということは世間が知っています。しかしながらスパイダーマンだけはその正体を明かしていなかった。それはひとえにピーターが高校生(未成年)だったということもあるでしょう。ただスパイダーマン=ピーターと知っているのはクラスメイトの親友ネッド(ジェイコブ・バタロン)と恋人のMJ(ゼンデイヤ)他数名です。前作『ファー・フロム・ホーム』で悪党ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)の罠によって世間にスパイダーマン=ピーターと暴露され、さらに殺人犯の汚名を着せられています。本作はまさにそういう危機的状況から話が始まります。

歴代スパイダーマン映画の世界はマルチバースとして解釈された

 MCUの世界では、“いまの現実”とは違う、“もう一つの現実”が複数存在します。パラレルワールド的考えです。これをマルチバース(多元世界)と呼びます。今回、あるアクシデントから、ピーターがいま生きている世界とは別の世界から強敵たちが次元を超えて現れるのです。

 これが本作の見どころであり、かつ一番ややこしいところです。まずトム・ホランド版=MCU版スパイダーマンが作られる前に5本のスパイダーマン映画が存在しています。トビー・マグワイア出演の『スパイダーマン』3作、アンドリュー・ガーフィールド出演の『アメイジング・スパイダーマン』2作……これらはまずMCUではありません(MCUが本格的に始まる前のスパイダーマン映画です)。さらにトビー版の設定・キャストを一旦リセットして作ったのがアンドリュー版なので、この2つのシリーズもつながっていません。つまり、トム・ホランド版、トビー版、アンドリュー版は全く別物のスパイダーマン映画です。『シン・ゴジラ』とハリウッド『ゴジラ』と昔の『ゴジラ』ぐらい別物です。

 しかし、今回の映画では、トビー版、アンドリュー版の世界が、トム・ホランド版=MCU版スパイダーマンの世界とマルチバースの関係にあった! という設定がとられています。なのでトビー版スパイダーマン映画に登場したヴィラン、アンドリュー版のヴィランが次元を超えてトム・ホランド版スパイダーマンの前に現れるというわけです。

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