香取慎吾「とんでもない現場ですよ!(笑)」 17年ぶりのNHKドラマ主演で受けた衝撃

香取慎吾『倫敦ノ山本五十六』インタビュー

「少しでも何かを考えるきっかけになってくれれば」

ーー共演者の方との印象的なシーンは?

香取:嶋田久作さん、伊武雅刀さん演じる軍の上層部の人たちに囲まれるシーンが印象的でした。山本五十六も立場的には上にいますが、そういう上の人たちとの場面では、答えが「はい」しかないんですよね。一応イエスかノーか聞かれるんだけど、「いいえ」や「それはどうだろう」は、表情にすら微塵も出せない。お芝居とはいえ胸が締め付けられるシーンでした。

ーー片岡愛之助さんとの共演シーンは?

香取:愛之助さんとは、バラエティー番組ではよく共演しているんですけど、お芝居でがっつり関わらせていただくのは今回が初めてでした。愛之助さんが演じる堀とのシーンは、僕の役にとって、下手したら家族といる時間よりも一番素に近い、本当の部分だったような気がしますね。話の内容には緊張感もあるんだけど、どこかふと解ける、親友ならではの瞬間がありました。

香取慎吾

ーーこのドラマを観た人にどんなことを感じてほしいと思いますか?

香取:難しいですね……僕はこの時代にこんなことが起きていたということを全然知らなかったので、そこを知れるだけでも大きいことなんじゃないかなと思います。軍縮会議というものがあって、アメリカやイギリス、各国のいろいろな意見がありながら、何年後、何十年後にまで繋がる話し合いが行われていたんだなと。今回、僕が演じさせてもらったドラマでは、どこか一つの国が意見を押し通すのではなく、みんなで未来の話をしているんですよね。そんなシーンがあったんだなということが、僕はとても勉強になりました。

ーー舞台は戦前ですが、現代にも通ずる物語ということですね。

香取:これは監督が話していたことですが、この作品では随所に子供たちが印象的に登場します。それは、あの時代から今、未来へ、という繋がりとして描いていると言っていました。映像や本でしか戦争を知らない自分は、この作品に携わったことによって、よりよい未来のために行動していても、歯車が合わなければこんな歴史が刻まれてしまうことがあるということを知ることができました。過去に何があって、過去の人たちがどんな思いを抱いて、戦争が起きてしまったのか、そして終わったのか。今を生きるみなさんにとって、本作が少しでも何かを考えるきっかけになってくれれば。過去を知ることで、悪い未来に進むことを少しでも防げるんじゃないかなと思います。

香取慎吾
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■放送情報
太平洋戦争80年・特集ドラマ『倫敦(ロンドン)ノ山本五十六』
NHK総合にて、12月30日(木)22:00~23:13放送
出演:香取慎吾、高良健吾、片岡愛之助、國村隼、渡辺いっけい、嶋田久作、中村育二、市原隼人、平岩紙、景井ひな、伊武雅刀、山本學
脚本:古川健
音楽:上野耕路
題字:川尾朋子
演出:大原拓
企画:右田千代
制作統括:夜久恭裕
写真提供=NHK

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