『恋慕』フィ×ジウンの“背負っていくと決めた恋”の行方は? 未来のための戦いが始まる

『恋慕』大切な人たちと離れるフィの戦い

 さて、すべてを支配し自分の駒を手放したくない左義政ハン・ギジェ(ユン・ジェムン)とギジェの駒だと見せかけて足をすくおうとしているフィに、ウォンサン君(キム・テク)が近づいて来た。先代の王(フィの父イェジョンの兄)が早なければ王になるはずだったウォンサン君は、王であるフィの廃位を諦めてはいなかったのだ。しかし、フィを王の座から引きずり下ろしたところで、ギジェがウォンサン君を王にするだろうか。ウォンサン君は手を組むことを提案していたが、利用されるだけの運命となることだろう。同じ欲望と欲望がぶつかり合ってもギジェに喰われてしまうのは、ギジェの欲望に勝る者はいないからだ。

 フィが女性である噂を耳にしたギジェは、双子で産まれた妹を殺す命令をしたのは自分であったことを明かし、この先もフィを邪魔する者は消し去ることを伝えに来た。それは、たとえ噂が本当であっても、自分の駒に置き続けるという警告にも聞こえる。フィの弱点を握ることができれば、ギジェにとって好都合だからだ。この話をキム尚宮(ペク・ヒョンジュ)とホン内官(コ・ギュピル)に聞かせたのも、後々フィの弱みを利用できるようにあえて取った行動だろう。戦うしかなくなったフィは、キム尚宮とホン内官を安全な場所に移すことにした。もしかしたら二度と会えないかもしれないという不安は、3人とも心のどこかでは感じていたかもしれない。それでも、「必ず迎えに行く」と言ったフィと「どんなに夜が更けてもお待ちしています」というキム尚宮の言葉は、決して希望ではなく迷いのないものだった。「余を信じよ。余は決して死なぬ」と誓ったフィのことを信じて待つことしかできなが、それが今まで一番近くでフィを支えてきた二人の役目なのだ。

 フィのことをそばで支えられなくなってしまったキム尚宮は、ジウンにフィを託すためにフィがタミであることを明かし、ついにタミとジウンとして再会することになる。ジウンはどのような気持ちを伝え、フィはタミとしてジウンの気持ちに応えるのだろうか。それによって、ハギョンやソウンとの関係性に決着をつけなければならない。また、ソクチョに疑いを持ち始めたギジェは、恐らく何らかの形でソクチョを追い詰めるはずだ。ギジェの手によって、ジウンや家族が危険にさらされるのは予想がつく。ソクチョはこれまで歩んできた道をこのまま歩み続けるのかを選択する時がきたようだ。つまり、このままギジェの家臣で居続けるか裏切るかということだ。そして、予告ではフィが女性であることをギジェと大王妃の前で自ら打ち明ける場面がみられた。きっとフィは打開策を持って挑むに違いない。必ずやこの荒波を乗り越えて、フィが大切な人たちに会いに行けると信じたい。

■配信情報
『恋慕』
Netflixにて独占配信中
出演:パク・ウンビン、キム・ロウン、ナム・ユンス、チェ・ビョンチャン、ペ・ユンギョン、チョン・チェヨン
原作:漫画『恋慕』イ・ソヨン作
演出:ソン・ヒョンウク、イ・ヒョンソク
脚本 :ハン・ヒジョン
製作:モンスターユニオン、イヤギサニャンクン
写真はKBS公式サイトより

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