『カムカムエヴリバディ』算太がクリスマスに帰ってきた 死の淵で過ごした母とのひととき
将校クラブを後にする安子(上白石萌音)に、ロバート(村雨辰剛)は「Merry Christmas」と伝える。2人の話す姿は、稔(松村北斗)が英語を学ぶことで叶えたかった夢が体現されているようだった。家に戻った安子は、るい(中野翠咲)に父・稔の夢について改めて話すと、安子の宝物でもある稔からもらった英和辞典を「メリークリスマス、るい」とるいに贈った。NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』が第7週初日を迎え、そんな安子のもとに思わぬ人物が会いに来る。クリスマスに算太(濱田岳)がやってきたのだ。
安子は戦争中に起きたことをすべて算太に話した。家族の死を知った算太は安子に「よう生きとってくれた」と声をかける。その思いは安子も同じ。安子は「お兄ちゃんこそ……生きとってよかった」と涙をこぼした。
戦争から生きて帰ってきた算太に、千吉(段田安則)は「よう帰ってこられました。ご苦労さまでした」と労う。また千吉は算太に、父・金太(甲本雅裕)が算太が出征する時、見送りに行かなかったことを悔やんでいたと伝え、「算太さんはこの先、悔いのねえように生きてください。それが金太さんの望みじゃ思います」と言った。しかし、それを聞いた算太の表情はどこか煮え切らない。安子が「お父さんとお母さんがどねえにお兄ちゃんのこと心配して帰りを待ちよったと思よんでえ?」と伝えても、算太は「死んだ親父が何ゅう思よろうが知ったことじゃねえ」と切り捨てる。
しかしそれは算太の本心ではなかった。その場を立ち去ろうとする算太の前に現れた美都里(YOU)は、算太をそっと抱きしめるとこう言った。
「恋しいんじゃろう? お父さんとお母さんに会いとうてたまらんのじゃろう?」