年の瀬は関係性を見つめ直す時期? 『ニューイヤー・ブルース』で見る4組のカップル事情

『ニューイヤー・ブルース』は年の瀬の希望

 「遠くへいける一番早い便を一枚」ジナが失恋の傷心で向かった先はアルゼンチン。ほかのカップルが素敵なクリスマスを過ごす中、飛行機に乗ったジナは、ホテルに着くも予約がとれてないというハプニングで1人旅の初日を迎える。そこで偶然出会うのが、ワイン配達員のジェホン(ユ・ヨンソク)だ。最初はジナが声をかけてもどこか不親切だったジェホンだが、2人はどんどんお互いが抱えている悩みを打ち明けられる仲になっていく。ジェホンは、韓国で大学卒業前から働いていたが、燃え尽き症候群に陥り、韓国にいた頃の記憶を封印していた。ジナとジェホンが同じ時間を過ごし、会話をしていく中で、どんなニューイヤーに向かっていくのかはぜひ劇場で確かめてもらいたい。

 ジニはアルゼンチン旅行の終盤で「ここにいる人たちを見てたら私だけが生き生きしてない気がして」とやる気を取り戻します。海外の地に行くと、日々の大きな失敗や悩みが小さくとまでは言わなくても、少し違って考えられるようになる、あの不思議なパワーはなんなんでしょうか。

 どこかで関わり合っている8人とも、それぞれにパートナーとの問題を抱えていて。それは、SNSの投稿では幸せそうにだけ見える友人、会社の同僚、有名人……誰にでも、各々の誰かとの問題はあって、そしてその人との素敵な時間を歩んできているように思います。そんな身の回りにありそうな誰かと誰かの物語が、本作には詰まっていました。

 もう終わってしまう! とどこか焦りを感じる人が多そうな12月。まだ何かやり残していることがありそうな人に向けて、ぜひ本作をおすすめします。2022年まで残り22日!

■公開情報
『ニューイヤー・ブルース』
全国公開中
監督:ホン・ジヨン
脚本:コ・ミョンジュ、ハン・ヒョンギョン
出演:キム・ガンウ、ユ・インナ、ユ・ヨンソク、イ・ヨニ、イ・ドンフィ、チェン・ドゥーリン、ヨム・ヘラン、チェ・スヨン、ユ・テオ、イェ・スジョン、イ・ジュンヒョク、チョ・ハンチョル、アン・セハ、ソン・サンウン
撮影:オ・スンチョル
編集:シン・ミンギョン
音楽:イ・ジス
配給:クロックワークス
2021年/韓国/114分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語字幕:朴澤蓉子/英題:New Year Blues/レイティング:G
(c)2021 ACEMAKER MOVIEWORKS & SOO FILM All Rights Reserved.
公式サイト: https://klockworx-asia.com/newyear/ 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「週末映画館でこれ観よう!」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる