ジャンフランコ・ロージ『国境の夜想曲』予告編&ポスター 公開日は2022年2月11日に

『国境の夜想曲』ポスター&予告編

 ジャンフランコ・ロージ監督最新作 『国境の夜想曲』のポスタービジュアルと予告編が公開され、劇場公開日が2022年2月11日に決定した。

 本作は、第89回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた前作『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』から5年ぶりとなるロージ監督の最新作。

 3年以上の歳月をかけて、イラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯で撮影された本作。これらの地域では2001年の9.11米同時多発テロ、2010年のアラブの春に端を発し、直近ではアメリカのアフガニスタンからの撤退と、現在と地続きで、侵略、圧政、テロリズムにより、数多くの人々が犠牲になっている。そんな場所で、ロージ監督は通訳を伴わずにひとり旅を敢行し、そこに残された母親や子供、若者の声に耳を傾け続ける。母親たちの死を悼む哀悼歌、癒えることのない痛みを抱えた子供たち、精神病院の患者たちによる政治の無意味さについての演劇。そこには夜の暗闇から、一条の希望を見出し生きようとする者たちの姿があった。

 今回公開されたポスタービジュアルでは、どこか遠くを見つめる少年の表情が大きく使われ、国境地帯に住む人々の営みをとらえた場面写真の数々と、海の青色が相まっている。少年の隣には、「どんな場所でも、どんな夜でも、かならず朝は来る」というキャッチコピーが添えられている。

映画『国境の夜想曲』予告編

 あわせて公開された予告編は、オレンジ色の囚人服を着た無数の男たちが刑務所を徘徊するシーンで幕を開ける。アメリカ国旗を掲げた装甲車が並ぶ場面が差し込まれつつも、亡き息子を想う母親、心に深い傷を負った子供たちなど、戦争や侵略に翻弄され辛い状況に置かれた人々の苦境と「空が綺麗だ」と笑い合う恋人たちの姿が映し出される。最後は、ショパンのノクターン第8番の旋律に乗せて「この作品の静謐さは、まるで俳句のようだ。感動し、圧倒された」というアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥのコメントで締めくくられる。

■公開情報
『国境の夜想曲』
2022年2月11日(金・祝)Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督・撮影・音響:ジャンフランコ・ロージ
配給:ビターズ・エンド
イタリア・フランス・ドイツ/2020年/104分/アメリカンビスタ(1:185)/アラビア語・クルド語/原題:NOTTURNO
(c)21 UNO FILM / STEMAL ENTERTAINMENT / LES FILMS D’ICI / ARTE FRANCE CINEMA / Notturno NATION FILMS GмвH / MIZZI STOCK ENTERTAINMENT GвR
公式サイト:bitters.co.jp/yasokyoku

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