『鬼滅の刃』無限列車編、追加カットが生み出した新たな感動 OP&EDも想像以上のものに
12月5日に「遊郭編」がスタートするTVアニメ『鬼滅の刃』。TV版「無限列車編」は日曜23時15分~という放送時間の問題や映画版の再編集とあって、賛否両論あったが、煉獄杏寿郎が命をかけて守った希望に、新たな感動が生まれた。改めてTV版「無限列車編」は、どういうものになったのか?
「無限列車編」は第1話は完全新作で、駅弁売りのふくと煉獄杏寿郎の交流と、煉獄が無限列車に乗り込むまでが描かれた。映画の再編集となった第2話~第7話には、約70カットの新作追加映像と新規追加BGMなどが織り込まれた。例えば、禰豆子の戦闘シーン、魘夢の顔のアップ、列車の横転シーン、猗窩座の登場シーンなど。ネットでは放送後、多くのファンが映画との違いを考察し合っていた。単純に映画を全7回分に分けた時の時間調整の意味合いが主だろうが、全編に渡って迫力が増し、前後の繋がりがスムースになっていたように思う。暗い映画館の大スクリーンで観るのと、自宅の明るい部屋でテレビやPC、スマホなどで観るのとでは違いがあるため、そういった部分も鑑みての部分もあっただろう。
TV版だからこそ生まれたものも多い。例えばオープニングとエンディングがそうだ。オープニングとエンディングの格好良さは想像を超えていた。オープニングの冒頭、無限列車が車両基地から発車するところは実に格好良く、炭治郎と煉獄の二人のアップとタイトルが重なるところは、この2人がエピソードの主役であることを印象づけていた。きっと「遊郭編」のオープニングでも、炭治郎と宇髄天元が並んで映されるだろう。また、煉獄と炭治郎たちが並んで座ってにこやかに弁当を食べているシーンは新鮮だった。
オープニングとエンディングの両テーマソングを梶浦由記×LiSAが手がけ、オープニングの「明け星」では、梶浦由記独特の民族音楽的なメロディに乗せて、Bメロでこの物語に関わる者たちの葛藤が苦悶の表情と共に表される。「白銀」が流れるエンディングは、残酷な運命に立ち向かう様子を、煉獄を先頭に炭治郎たちが線路を歩くシーンと共に表現されて印象的だった。物語はまだ終わることなく、さらなる強敵が待ち受けることが示唆され、歌詞は第7話で「もっと強くなりたい」と泣きながら語る炭治郎の気持ちとも重なった。すでに物語の行く末が知れ渡っているからこそ、余計に胸に響くものがあるオープニングとエンディングだったと思う。「遊郭編」はオープニングテーマがAimerの「残響散歌」、エンディングテーマが同じくAimerの「朝が来る」と、すでに発表されている。楽曲と映像が、どのようにマッチしているかにも期待が高まる。