『ラジハII』田中役の八嶋智人に与えられた大きな役割 物語はいよいよ大詰めへ
ここで思い出されるのは、シーズン1の第10話で鏑木(浅野和之)がラジエーションハウスを船に形容した言葉だ。「こんなにも土台がしっかりした船が沈むはずがない」。船という大きなものから、人体の中で最も小さいとされる耳小骨へ。比喩のサイズ感がいちじるしく小さくなったのは田中のキャラクター性への結び付けだろうか。いずれにしてもそれは、物の大小に関係なく、船も耳も病院も寿司屋も、どんな些細なものであっても決してひとりだけやひとつだけでは機能しえないものであると表しているのだろう。
それはまさに、ひとりひとりの物語を積み重ねていくことでドラマ全体が構築されていくのと同じである。終盤で唯織が別の患者の対応をしている時、田中をはじめとしたラジエーションハウスのメンバーたちは唯織の手を借りずに未知の検査方法に取り組むために強固な連帯を見せる。これでようやくラジエーションハウスという船が本格的に完成したと見える。そしてそれが動き出すのに合わせ、シーズン2のフックとなっていた503号室の患者のことが明らかにされる。杏(本田翼)の留学の可能性も含め、シーズン2はいよいよ大詰めへと舵を切ることになるわけだ。
■放送情報
『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、八嶋智人、浅野和之、和久井映見ほか
原作:『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕、漫画:モリタイシ、GJ/集英社)
脚本:大北はるか
企画:中野利幸
プロデュース:草ヶ谷大輔
演出:鈴木雅之、相沢秀幸、水戸祐介
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/