『じゃない方の彼女』山下美月の表情に引き込まれる 思いが届かない切実さが滲むキス

『じゃない方の彼女』山下美月の切ないキス

 「好き」や「素敵」という言葉を封じ込められた怜子は「でも誰が何と言おうとこれが私の本心です」と言ってキスする。これは、出会った頃に彼女が雅也にした帰り際のホッペへのキスとはまた意味合いが大きく違った。当時は彼を、自分自身を、そして運命のいたずらを試していたかのようだったのに対して、今回は自分から雅也への気持ちが嘘ではないことを証明するための切羽詰まった切実さが滲んでいた。

 「別に君は僕のこと好きなんかじゃない。からかって遊んでるだけ。分かってるんだから!」「もうさ……もうやめてくれるかな、そういうの。そんなふうに僕のこと思ってくれる人なんかいないんだよ! それはもうずっと前から知ってるの! とにかくもう僕には構わないで」「恋も不倫もバンジージャンプなの。命綱の切れたバンジージャンプ。命を懸けて落ちるの」とさらりと言ってのける弘子の下に生まれ育ちながらも、身を焦がすような恋とはきっとこれまで無縁だったであろう雅也の、このわきまえすぎている“じゃない方”としての矜持が切なくも、怜子の本気の告白の前ではとても無力で防御力はほぼ皆無だった。

 「偶然が3回続くと奇跡が起こる」と第1話で怜子は言ったが、確実に彼らそれぞれに今“奇跡”が起きようとしている。

■放送情報
『じゃない方の彼女』
テレビ東京系にて、毎週月曜23:06~放送
地上波放送終了後、動画配信サービス「ひかりTV」「Paravi」で配信
出演:濱田岳、山下美月(乃木坂46)、山崎樹範、東野絢香、豊田裕大、宝辺花帆美、YOU、小西真奈美
企画・原作:秋元康
監督:三木康一郎、根本和政、岸川正史
脚本:服部隆、モラル、青塚美穂
音楽:小山絵里奈
主題歌(OPテーマ):Thinking Dogs「エキストラ」(Sony Music Labels Inc.)
EDテーマ:原因は自分にある。「豪雨」(SDR)
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:中川順平(テレビ東京)、木下真梨子(テレビ東京)、森田昇(テレビ東京)、清家優輝、岸川正史
制作:テレビ東京、ファインエンターテイメント
製作・著作:「じゃない方の彼女」製作委員会
(c)「じゃない方の彼女」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/janaiho/
公式Twitter:@tx_janaiho
公式Instagram:@tx_janaiho

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