『おかえりモネ』清原果耶×蒔田彩珠、朝ドラ史に刻まれる姉妹に 未知にも幸せな結末を

近年の朝ドラ姉妹たちを振り返る

 最終章に入ったNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』。多くの朝ドラでは、故郷は戻る場所ではなく、旅立つ場所として描かれてきたように、ヒロインの最も近くにいる人物が再び家族たちに戻るというのは珍しい構成だ。その家族の中でも百音(清原果耶)の妹、“みーちゃん”こと未知(蒔田彩珠)は、本作のもうひとりの主人公と言ってもいい存在として、物語の中で重要な役割を担っている。

 百音と未知は、震災を目の前で経験していない/経験した、地元を離れた/地元に残り続けた、好きな相手と思いが通じた/通じていない……と正反対の結果、選択をする姉妹として描かれてきた。

 百音は、「天真爛漫で周りの人を笑顔に!」という朝ドラヒロインの定番とも言えるタイプの主人公では決してない。空気を読み(ある意味読みすぎるぐらい)、周囲にも合わせることができるタイプだ。一方、未知は百音に対しての嫉妬心をあらわにすることもあったが、決してわがままというわけでもなく、未知は未知で家族のために、周囲のために頑張る性格。姉妹の性格は決して離れているわけではなく、むしろ似た者同士でもあるだけに、余計に未知の境遇が辛い。

 過去の朝ドラでは、ヒロインが“光”、姉・妹が“影”の役割を担わされることも多かったが、どうにか未知にも“光”をと思っている視聴者は多いことだろう。

 ここでは、近年の朝ドラに登場した姉妹を振り返りながら未知の今後を考えてみたい。

『エール』松井玲奈×二階堂ふみ×森七菜

 “朝ドラヒロイン”の定義からは少し外れるが、前々作の『エール』では主人公・裕一(窪田正孝)の妻・音(二階堂ふみ)は三姉妹だった。音は天真爛漫の言葉がぴったりとハマるザ・朝ドラヒロインな性格。一方、長女・吟(松井玲奈)は自由人な一面も持ち合わせつつも、夫・智彦(奥野瑛太)と結ばれてからは、たくましさを増していき、三姉妹の中で最も変化した人物でもあった。森七菜が演じる三女・梅は、三姉妹の中で一番のしっかり者。幼い頃から自分の信じた道を突き進み、作家という夢を成就させた。姉妹それぞれが幸せの形を見つけ、互いに支え合う、まさに理想的な三姉妹であった。

『スカーレット』戸田恵梨香×桜庭ななみ×福田麻由子

 三姉妹を描いた近年の作品といえば、戸田恵梨香主演の『スカーレット』も記憶に新しい。『エール』の関内三姉妹と共通しているのは、三女が一番のリアリストであるという点か。裕福な家庭で育った関内家に対して、『スカーレット』の川原三姉妹は父・常治の抱えた借金により貧困生活。それでも、三姉妹それぞれが父からたくましさを受け継ぎ、自分の人生を生き抜いた。ヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)は歴代朝ドラヒロインの中でも屈指のしっかり者長女だったが、父の死によって初めて見せた弱さ、繊細な姿は『スカーレット』の中でも屈指の名シーンだった。しっかり者の長女、姉と父への対抗心を持つ強気な次女、家族を俯瞰的な視点で見て空気を読むリアリストの三女。シナリオのお手本と言っていいほど、三姉妹それぞれの性格を生かした巧みなストーリー展開の物語であった。

 ほかにも三姉妹ものでは、『まんぷく』や『とと姉ちゃん』、『花子とアン』などがあるが、いずれの姉妹も仲が良く、三者三様の人生を豊かに歩む展開であった。

 一方、二人姉妹の場合は、三姉妹に比べると光と影のような関係性になる姉妹も少なくない。



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