『#家族募集します』『着飾る恋』『カルテット』 シェアハウスはなぜドラマの定番に?

“シェアハウス”はなぜドラマの定番に?

 重岡大毅(ジャニーズWEST)主演の金曜ドラマ『#家族募集します』(TBS系)に毎回、涙腺を刺激されている。様々な理由からシングルファザー、シングルマザーとなった男女が育児をシェアしながら暮らす物語。「誰にも迷惑をかけたくない」「弱音なんて吐けない」と頑なになっていたそれぞれの心が、少しずつ他人を許し、そして自分自身も許されていく姿に、見ているこちらも何かがほどけていく感覚だ。

 親と子の愛情はもちろん、価値観の全く違う男女の友情、そして下町を舞台にした人情……は、分断や対立が加速する現代社会においてどこか懐かしく見える。誰かとこんなふうにつながることができたら。一緒に泣いて一緒に笑っていろんなことをシェアしながら生きていく優しい社会になってくれたらと、大人の夢が詰まったようなドラマだ。

 “ひょんなことをきっかけに男女が一つ屋根の下に暮らす”というシェアハウス的展開は、これまでも多くのドラマで描かれてきた設定だ。例えば『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)や『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)ではドクターや警察官という職業柄、自然な形で寮生活が繰り広げられており、前クールで描かれた『着飾る恋には理由があって』(TBS系)では今どきのおしゃれなシェアハウスっぷりが話題になった。あるいは『カルテット』(TBS系)のように、一つの夢をもとに集まって共同生活をスタートさせるというパターンもあった。

『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(c)日本テレビ

 偶然の出会いでありながらも、そこに集まった必然的な理由がある。偶然の出会いは人と人の関係性を、そして必然的な理由は個人の成長にフォーカスされていく。人と接することから始まる様々な人間模様と、そこから得た刺激によって向き合えるようになった自分自身の課題。シェアハウスという設定がドラマの定番として描かれ続けるのは、そうした重層的なテーマ構造の面白さゆえではないだろうか。

 『#家族募集します』においては、そこにSNSでの募集という現代的な要素もプラスされる。SNSによって、私たちは簡単に世界とつながれるようになった。その一方で、同じマンションに住む隣人の顔を見たことがないという人も少なくない。加えて「ネットで知り合った人と簡単に会ってはいけない」そう警告されながらも「顔も本名も知らない相手だからこそ本音で話せる」という声も。

 そんなアンバランスな人間関係を築きながら現代を生きる私たちにとって、他人同士だった男女が同じものを食べ、同じシャンプーの香りをさせ、やわらかく穏やかな血の繋がらない家族像を築いていく姿は、手の届きそうで届かない憧れとして眩しく映るのだろう。

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