『おかえりモネ』百音と菅波、じれったさは継続 視聴者も見守る菅波先生の成長

『おかえりモネ』視聴者も見守る菅波の成長

 百音(清原果耶)たちは、車いすマラソンの選手・鮫島(菅原小春)をサポートすることになった。NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』が第13週初日を迎え、百音たちは暑さに弱い鮫島のフィジカル面の改善に協力する。

 選考会20日前に行われた「鮫島裕希選手サポート計画」の会議に中村(平山祐介)がやってきた。朝岡(西島秀俊)は鮫島のフィジカル面の分析に医師のサポートが必要だと中村に協力を仰ぐ。しかし翌日、練習に励む鮫島と百音の前に現れたのは菅波(坂口健太郎)だった。菅波の研修医時代の指導医である中村は、何かと考え込みがちな菅波とは違い、明るく豪快な性格で、これまでもやや強引に菅波を導いてきた存在だ。菅波の登場に「何か先生が来るんじゃないかなって思ってました」と百音が言っていたが、中村が登場した時点で視聴者もこの展開を予想していたのではないだろうか。百音の「フフ……先生、中村先生にどんな弱み握られてんですか?」という台詞に思わず笑ってしまう。

 “ウェザーエキスパーツ”では、朝岡と莉子(今田美桜)、内田(清水尋也)、百音が鮫島のタイムと気象状況の比較を行う。「当日の天候に合わせた準備をすれば勝ち目はあるが、その分、当日の予報は絶対に外せない」という責任の重さに、百音たちはやや弱気になるが、朝岡はそんな彼らに微笑みかけると軽快な口調で「まあ、気象情報を扱うビジネスは全部そうです」と話した。朝岡は百音たち一人一人の顔を見て、気象予報の責任について説いていく。「この人の言うことならその情報を信じよう。そう思わせる信頼を日々築き上げていくのも私たちの仕事ってことでしょうね」という朝岡の言葉を聞き、百音は決意を新たにしたようだった。

 第13週初日は朝岡の頼もしさが印象的な回でもあるが、やはり気になるのがお互いを少しずつ理解していく百音と菅波の関係性。仕事を終え、帰ろうとする百音に「じゃあ一緒に帰りますか」とごく自然に口にした菅波は、「え!?」と驚く百音を見て我に返ると「小学生か」と自分に突っ込んだ。その後、気まずそうに頭をかいたり、思いがけず相合い傘をすることになって緊張しているように見える菅波の姿も印象深かったが、鮫島の背中をさすり「手当て」をする百音を、菅波が穏やかな表情で見つめたことも忘れてはならない。ほんの一瞬だったが、この表情を見る限り、菅波が百音に心を開いているのは確かだ。あらすじによると、百音と菅波のじれったい様子に明日美(恒松祐里)が頭を抱えるようだが、このじれったさが、二人の関係性の魅力ではないだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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