『ワイルド・スピード EURO MISSION』はシリーズの“功労者” 新作に向けた復習にも最適?
さて、そんな中での『EURO MISSION』は、まさに『ワイスピ』“過渡期”から“黎明期”へ移行させた功労者のような作品。前作でホブスと協力関係になり、1億ドルを手に入れたファミリーはそれぞれ思い思いの人生を歩んでいた。ブライアン(ポール・ウォーカー)にはミア(ジョーダナ・ブリュースター)との間に子供が生まれ、恋人レティを失ったドミニク(ヴィン・ディーゼル)にも新しいガールフレンドがいる。ハン(サン・カン)とジゼル(ル・ガドット)もいい感じだし、ローマン(タイリース・ギブソン)やテズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)もリッチな生活を楽しんでいた。しかし、ロンドンの犯罪組織のボス、オーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンズ)をとっ捕まえてほしいとホブス(ドウェイン・ジョンソン)から頼まれ、さらにはショウの元には死んだはずのレティ(ミシェル・ロドリゲス)もいるというから、再びファミリー総出で出陣!
映画開始早々にバットモービルみたいな改造車を乗り回す敵とのカーチェイスが楽しめたと思いきや、ホブスの人間を卒業したような肉弾戦に戦車がハイウェイで大暴れするなど、常識外れのオンパレード。これまでのシリーズとは違い、国家機密や軍を揺さぶる特殊装置などスケールもミッションも大きくなってきている。犯罪を犯してきた側のファミリーが、これを機に恩赦を受けて巨悪に立ち向かうという転換点でもある作品だ。さらに、後の敵デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)への布石も含め、やはり『EURO MISSION』はシリーズの中でも結構重要な立ち位置にあることがわかる。最新作『ジェットブレイク』を観る前に、本作から改めてシリーズを復習するのも良いかもしれない。
■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。Instagram/Twitter
■放送情報
『ワイルド・スピード EURO MISSION』
フジテレビ系『土曜プレミアム』にて、7月17日(土)21:00〜23:10放送
監督・製作総指揮:ジャスティン・リン
脚本・製作総指揮:クリス・モーガン
出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、サン・カン
吹き替え声優:楠大典、高橋広樹、小山力也、甲斐田裕子、園崎未恵、松田健一郎、渡辺穣、川島得愛
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