『青天を衝け』や『恋はDeepに』でも活躍 大谷亮平が“声”の芝居で発揮する新たな魅力

大谷亮平が“声”の芝居で発揮する新たな魅力

 スラリとした長身に洗練されたスーツスタイルが良く似合う大谷亮平は、2021年の上半期もNHK大河ドラマ『青天を衝け』や『恋はDeepに』(日本テレビ系)、『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系×Hulu)などに出演し、相変わらずの活躍ぶりを見せた。さらに先日、7月8日から放送がスタートする天海祐希主演ドラマ『緊急取調室』シーズン4に、“キントリ”の大敵としてレギュラー出演することも発表されたばかり。日本の連続テレドラマ初のレギュラー出演となった『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)では平匡(星野源)の後輩役を演じ、同作の大ヒットと共に一躍知名度が上がった大谷だが、実は異色の経歴を持つことでも注目されている。日本でブレイクを果たす2016年までの彼は、韓国を拠点に俳優としての活動をしていた。その後、いわゆる“逆輸入”というかたちで日本に戻り、ドラマや映画の世界でさらなる活躍を果たすことになる。

『恋はDeepに』(c)日本テレビ

 大谷の魅力は、やはりなんといっても芝居から醸し出されるダンディな大人の色気ではないだろうか。時にセクシーとさえ思わせる佇まいは先日放送が終了したばかりの『恋はDeepに』でも光っており、3兄弟の長男かつ優秀な次期社長という役柄を重厚感あふれるオーラを持って演じ切った。その洗練された男らしさと外見にマッチした低音の甘い声は一度耳にしたら忘れられないほどに印象的であり、まさに大谷がその存在感を知らしめた理由にもなっているだろう。

 そんな大谷の麗しい声を堪能できる作品がイヤードラマ特化型音声サブスクリプションサービス「NUMA」に登場した。『暴き屋~他人の秘密、暴きます~』は人の秘密を探り出すことを職業とする男の物語。大谷は役者の道を諦め、劇団で培った演技のスキルを活かして「暴き屋」として生計を立てる主人公を演じている。本作は「~他人の秘密、暴きます~」というサブタイトル通り、人の秘密を覗き見するような感覚のおもしろさを魅力とする作品である。そしてリスナーの興味をそそる物語には、大谷の艶やかな低音ボイスが良く映えるのだ。感情を爆発させることのない淡々とした語り口は大谷らしい魅力にあふれ、さらには声のみで物語の状況や登場人物の心情を的確に伝える説得力もある。これまでに培われた芝居の力と大谷自身の魅力が結びつき生まれた作品だと言えよう。

 特に、本作で演じる大谷壮という役は、3つのエピソードの中でその立場を大きく変える役でもある。そのためエピソードごとの演じ分けで少しずつ“違う”大谷の声色を聴けることもまた、本作がグッと魅力を増す理由になっている。役を演じながら、その中でさらに別の人物になりきるという難役を、そしてその役をさらに声だけの芝居で演じるという二重のハードルを優雅に超えていく姿に、改めて彼の器用さを感じずにはいられない。こうした演じ分けの細部からも、大谷がコツコツとキャリアを積み重ねてきた重みが感じられるのだ。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる